講義内容詳細:フランス文学特講Ⅰ(2)

戻る
年度/Academic Year 2025
授業科目名/Course Title (Japanese) フランス文学特講Ⅰ(2)
英文科目名/Course Title (English) Lecture on French Literature Ⅰ (2)
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 飯田 賢穂
英文氏名/Instructor (English) IIDA Yoshiho

講義概要/Course description
「フランス文学特講」(通年)の目的は、古典弁論術(rhétorique classique)の基本を学びながら、フランス文学作品を精読することです。
フランス文学作品の多く(特に18世紀以前の作品)は、rhétorique classiqueの技術を使いながら書かれています。この技術を使って書かれた文章をdiscoursと呼び、その目的は相手(読者や聞き手)を説得し、行動させることです。
この授業では、discoursの形式で書かれた作品を、その内容だけでなく、形式(forme)に注目しながら読みます。
達成目標/Course objectives
古典フランス語で書かれた理論的な文献を読み、この理論を使って実際に古典文学作品を原語で講読する。これにより思考力・判断力・表現力を高め、またフランス語での読解力を養成することから、知識・技能を涵養し、自分の関心の範囲を広げることができるようになる。
学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)に基づき、当該科目を履修することで身につく能力 / Abilities to be acquired by completing the course in accordance with the faculty and graduate school diploma policy (graduation certification and degree conferral)
学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)/ Undergraduate and Graduate Diploma Policy (Graduation Certification and Degree Conferral)
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
「フランス語文法演習」を履修済みであることを強く薦める。
この授業では、フランス語で書かれた原文を精読するので、半過去形、接続法などの言葉を知っている必要がある。

なお、以下の授業計画は仮のものであり、受講者の理解度に合わせて変更されることがある。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class オリエンテーション。受講者のフランス語学習度合いや授業で使う文献について確認。
2
授業計画/Class Discours(弁論)とは何か(1):アリストテレス『弁論術』(17世紀のフランス語訳)におけるdiscoursの定義。
3
授業計画/Class Discoursとは何か(2):3種類のdiscours(法廷型、演示型、評議型)。
4
授業計画/Class Discoursとは何か(3-1):聞き手を納得させる3種類のpreuves(logos、pathos、ethos)。
5
授業計画/Class Discoursとは何か(3-2):聞き手を納得させる3種類のpreuves(logos、pathos、ethos)。
6
授業計画/Class Discoursとは何か(4):Discoursを構成している部分について
7
授業計画/Class Discoursとは何か(5):アリストテレスによるpathosの分類 — 怒り、怒りの鎮静、友情など
8
授業計画/Class 西洋古典における「正義」について(1)
9
授業計画/Class 西洋古典における「正義」について(2):「怒り」と「復讐」
10
授業計画/Class 中間テスト:ここまで学習した概念を理解できているか確認する。
11
授業計画/Class ラ・フォンテーヌ« Le loup et l'agneau »講読(1)—Loupのdiscoursを分析。
12
授業計画/Class ラ・フォンテーヌ« Le loup et l'agneau »講読(2)—L'agneauのdiscoursを分析。
13
授業計画/Class ラ・フォンテーヌ« Le loup et l'agneau »講読(3)—Le loupの第二discoursを分析。分析のまとめ。
14
授業計画/Class ラ・フォンテーヌがFablesを書いた時代背景を知る。
15
授業計画/Class 期末テスト
 
事前学習/Preparation 配布資料を読み、わからないフランス語単語がある場合は、その意味を調べてくる。
自分のノートを読み直し、教員に確認したいことを考える。
事後学習/Reviewing 配布資料読み直し、ノートの書き忘れなどを確認する。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
補足事項/Supplementary notes講義7割、受講者によるグループワークやプレゼンテーション3割で授業を進める。
→ プレゼンテーション:配布資料の内容説明、フランス語原文の音読
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 20% グループワークや、分析結果の発表・共有をする。この取り組みを評価します。
2 試験 Exam 80% 中間テスト(30%):基本概念の理解、フランス語力を確認する。
期末テスト(50%):授業で身に付けた分析力を発揮できるか確認する。
メッセージ/Message
教科書はありません。
授業用のプリント(A4サイズ)を配布しますので、それをノート代わりに使ってください。