講義概要/Course description
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詩を読む/ウクライナ・スロベニアとの〈文学交流〉(応用編) この演習では、詩(古典詩歌・近代詩)についての各自の研究テーマを深める。前期で身に付けた分析法を踏まえて、自分自身が関心のある詩を選び考察する。そして、考察の結果を、ショート・エッセイ(小論文)という形で〈表現する〉ことを学びます。 この演習では、これまで、Ⅰ書物(書物としての姿)、Ⅱ萬葉集(日本詩の出発点)、Ⅲ文学交流(海外の文学との比較研究。また、戦争という視点)をいう3つの視点を重視しています。 Ⅰ書物:その形式(外形)や、形式と内容の関係などについて探求する。 Ⅱ萬葉集:その編集、歴史との関係などについて探求する。 Ⅲ文学交流:比較文学、翻訳、「戦争と文学」などについて探求する。 具体的には、以下のように授業を進めます。 ・最初に研究の進め方について講義しする。 ・『萬葉集』、または近代詩から、関心のあるテーマに関わる作品を複数選び、分析の結果と先行研究を踏まえて、 自分の論を構築して、研究発表をする。(テーマ例については、「メッセージ」参照)
自分自身の研究テーマを追究することが、この演習の目標です。
また、この演習では、青山学院大学の協定校である、ウクライナのタラス・シェフチェンコ記念キーウ国立大学、スロベニアの国立リュブリャーナ大学で日本語・日本文学を学ぶ学生との〈文学交流〉も行います。互いの文学の紹介、協働しての作品の読解、共通するテーマの共同研究などを行います。 *10月、11月、12月の各月に、キーウ国立大学、国立リュブリャーナ大学の学生とそれぞれに(つまり1対1で)1回程度、オンラインによる協働授業行います。時差があるので、このオンライン授業は、月曜日5限、または、日曜日に行うことになります。そのつもりで参加してください。 *両大学の学生とも、日本語を学び始めてまもない人も多いので、プレゼンテーションやディスカッションは英語を使います。
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達成目標/Course objectives
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1.書物・萬葉集・〈文学交流〉について、自分自身が研究したいテーマを明確にする。 2.書物・萬葉集・〈文学交流〉についての研究テーマを深めるための研究方法を身に付ける。 3.書物・萬葉集・〈文学交流〉についての自分自身の研究成果を小論文として〈表現する〉。 4.〈文学交流〉によって相互理解を深められる力を身に付ける。
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学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)に基づき、当該科目を履修することで身につく能力 / Abilities to be acquired by completing the course in accordance with the faculty and graduate school diploma policy (graduation certification and degree conferral)
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学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)/ Undergraduate and Graduate Diploma Policy (Graduation Certification and Degree Conferral)
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履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
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日本文学演習Ⅰ[1](前期:小松靖彦担当)の履修がこの授業の履修条件です。 ウクライナ・スロベニアの学生と交流するために、英語の会話力が必須です。
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授業計画/Lecture plan
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1
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授業計画/Class |
研究の進め方について【講義】【オンライン授業(オンデマンド型)での実施】 |
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2
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授業計画/Class |
先行研究の集め方と利用法【講義】 |
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3
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4
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5
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6
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授業計画/Class |
受講者による研究発表(3) *時間外でウクライナとスロベニアの学生と〈文学交流〉も行う |
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7
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8
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9
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授業計画/Class |
受講者による研究発表(6) *時間外でウクライナとスロベニアの学生と〈文学交流〉も行う |
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10
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11
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12
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13
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授業計画/Class |
受講者による研究発表(10) *時間外でウクライナとスロベニアの学生と〈文学交流〉も行う |
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14
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授業計画/Class |
受講者による研究発表(11) |
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15
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事前学習/Preparation |
【講義の回】 ・資料教材を読み、興味を覚えた点と疑問点をノートしておく。 ・資料教材に示された詩を読み、気づいた点をノートしておく。 【受講者による研究発表の回】 ・予め発表資料を読み、興味を覚えた点と疑問点を明確にしておく。
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事後学習/Reviewing |
【講義の回】 ・出された課題の回答をコースパワーに入力する。 ・講義を聞いて、さらに調べたいと思った点を自分で調べる。 【受講者による研究発表の回】 ・研究発表に対するコメント(感想・質問・アドバイス)をコースパワーに入力する。 |
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授業方法/Method of instruction
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区分/Type of Class |
対面授業 / Classes in-person
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実施形態/Class Method |
ハイブリッド型ハイフレックス形式 / hybrid high flex
補足事項/Supplementary notes
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活用される授業方法/Teaching methods used |
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成績評価方法/Evaluation
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1 |
平常点 In-class Points
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30%
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授業への積極的参加。事前・事後学習。他の受講者の発表の時も、自分なりに調査・研究を進める。
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2 |
レポート Report
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30%
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毎回の授業の課題への回答の提出。
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3 |
試験 Exam
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40%
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学期末に、研究発表したものをさらに深めて提出する。
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課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法/Feedback methods for assignments (exams, reports, etc.)
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毎回の課題回答からピックアップしてまとめ、TAのアドバイス、担当教員のコメントを記した資料教材をコースパワーにアップする。
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教科書/Textbooks
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| 著者名 Author | タイトル Title | 出版社 Publisher | 出版年 Published year | ISBN | 価格 Price | コメント Comments |
1 |
青山学院大学文学部日本文学科
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文学交流入門
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武蔵野書院
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2023
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9784838606597
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1500(本体)
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必ず手元に置いて、読むようにしてください。
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参考書/Reference books
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メッセージ/Message
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【研究発表のテーマ例】 (例)女性歌人の恋の表現/萬葉集の挽歌/防人歌/宮澤賢治の詩のリズム/戦争詩/日本で詩を制作した日本統治下朝鮮詩人(金鍾漢、楊明文ら)/児童向けの詩と戦争/三島由紀夫の十代の詩/寺山修司の海の詩/寸松庵色紙における書による造形/萩原朔太郎の詩と哲学思想受容
この演習では、研究発表に対する積極的なコメントをもとめます。今まで自分が知らなかった作品についてコメントすることで、自分の世界が広がります。 この演習では、大学の日本文学科で、自分自身で研究を掘り下げてゆく力を身に付けてもらいます。大学での日本文学研究は”調べ学習”ではなく、「唯一の正解」もありません。自分の力で、自分なりの解答を見出してゆくことが日本文学研究です。研究という目標をもって、大学2、3年を過ごしてもらいたいと思っています。 また、ウクライナとスロベニアの学生との〈文学交流〉によって、文学によって相互理解を深めることができることを体験してほしいと思います。
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その他/Others
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学期末提出のショート・エッセイは冊子にまとめる予定。
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キーワード/Keywords
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詩
萬葉集
近代詩
戦争
文学交流
書
造形的な詩
ウクライナ
スロベニア
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