講義内容詳細:日本・東洋の文芸と音楽B

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年度/Academic Year 2023
授業科目名/Course Title (Japanese) 日本・東洋の文芸と音楽B
英文科目名/Course Title (English) Music and Literature in the East B
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 近藤 静乃
英文氏名/Instructor (English) KONDO Shizuno

講義概要/Course description
【王朝文化と雅楽】
雅楽は日本の伝統音楽のなかで最も永い歴史を誇る総合芸術です。日本列島古来の歌舞や、5世紀から9世紀にかけて伝来した大陸の楽舞を源流として、平安時代の王朝文化のなかで大成しました。
本講義では、まず日本における「雅楽」とは何をさすのか、語源や分類を把握するとともに、現行雅楽で中核をなしている渡来系楽舞の基本事項(種目・楽器編成・演奏法など)を学び、鑑賞のための指標とします。その上であらためて歴史を遡り、平安時代の宮廷社会の様々な場面において雅楽がどのように浸透し大成期を迎えるに至ったのか、『源氏物語』や『枕草子』などの文学作品に触れつつ考察します。千年の時を越えて現代日本の文化に脈々と息づく、雅楽の多彩な魅力を体感することが目的です。
達成目標/Course objectives
1.現行雅楽の種目と分類を把握し、楽器編成や源流となる楽舞についての知見を得る。
2.平安時代の王朝文化において、各種目がどのような場面で演奏されていたのか理解する。
3.王朝文学の描写に照らしつつ主要な伝承曲を鑑賞することで、雅楽の多彩な魅力を感じ取ることができる。
学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)に基づき、当該科目を履修することで身につく能力 / Abilities to be acquired by completing the course in accordance with the faculty and graduate school diploma policy (graduation certification and degree conferral)
学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)/ Undergraduate and Graduate Diploma Policy (Graduation Certification and Degree Conferral)
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
本講義と関連する「日本・東洋の文芸と音楽A」を受講するのが望ましい。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 導入:日本における「雅楽」とは何か【オンデマンド】
2
授業計画/Class 雅楽鑑賞のための基礎知識 その1 管絃:楽器と唱歌
3
授業計画/Class 雅楽鑑賞のための基礎知識 その2 舞楽:左舞と右舞
4
授業計画/Class 雅楽の源流:大陸伝来の楽舞と正倉院蔵の古楽器
5
授業計画/Class 平安朝:承和前後の隆盛と楽舞の左右二分化
6
授業計画/Class 「管絃」の成立ー御遊の世界ー
7
授業計画/Class 宮廷歌謡の盛行─催馬楽・朗詠─
8
授業計画/Class 平安貴族と弾き物:「弾く物は琵琶」「箏の琴いとめでたし。調べは想夫恋」─『枕草子』より
9
授業計画/Class 宮廷人と通過儀礼の雅楽:管絃舞楽〈青海波〉─『源氏物語』「紅葉賀」より
10
授業計画/Class 舞楽法会の盛行─法会を彩る舞童〈迦陵頻〉と〈胡蝶〉─
11
授業計画/Class 国風歌舞:東遊と御神楽 「舞は駿河舞。求子いとをかし。」─『枕草子』より
12
授業計画/Class 雅楽の調子と思想
13
授業計画/Class 雅楽のリズムと楽式─各種拍子と序破急─
14
授業計画/Class 楽家と相承
15
授業計画/Class 総括:雅楽伝承の現在─新たなる創造と復曲─
 
事前学習/Preparation 教科書の当該頁をあらかじめ読んでおくこと。
事後学習/Reviewing 講義で配付した資料や「文化デジタルライブラリー 雅楽」(日本芸術文化振興会)などのコンテンツを参照し、歴史的背景や音楽的特色について理解を深める。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 60% 毎回、授業後にリアクションペーパーを提出する。
2 レポート Report 40% 学期末に、本講義に関連するテーマによるレポートを課す。具体的な内容は授業内で指示する。
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法/Feedback methods for assignments (exams, reports, etc.)
リアクションペーパーに記された意見や質問については、次回の授業でまとめてフィードバックする。
教科書/Textbooks
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
ISBN価格
Price
1 遠藤徹著 雅楽を知る事典 東京堂出版 2013.3 9784490108156 3500円+税
参考書/Reference books
 著者名
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タイトル
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出版年
Published year
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1 遠藤徹, 笹本武志, 宮丸直子著 図説雅楽入門事典 柏書房 2006.9 4760128565 9500円 蔵書情報 / Library information
2 東儀信太郎 [ほか] 執筆 ; 小野亮哉監修 雅楽事典 音楽之友社 1989.6 4276000807 7000円 蔵書情報 / Library information
3 林陽一写真 ; 東儀俊美[ほか]執筆 雅楽壱具 東京書籍 2002.6 4487797705 12000円 蔵書情報 / Library information
4 磯水絵著 『源氏物語』時代の音楽研究 笠間書院 2008.12 9784305703941 12500円(税別) 蔵書情報 / Library information
5 月溪恒子著 日本音楽との出会い 東京堂出版 2010.4 9784490206913 2200円+税 日本・東洋の文芸と音楽A(後期)の教科書 蔵書情報 / Library information
その他/Others
リアクションペーパーの提出が全授業の2/3に満たない場合は、単位を認めない。
キーワード/Keywords
雅楽     管絃     舞楽     催馬楽     朗詠     東遊     御神楽