講義内容詳細:各国経済論AⅠ

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年度/Academic Year 2025
授業科目名/Course Title (Japanese) 各国経済論AⅠ
英文科目名/Course Title (English) Economic Surveys of Advanced Countries AⅠ
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 桑原田 智之
英文氏名/Instructor (English) KUWAHARADA Tomoyuki

講義概要/Course description
本講義は、英国経済のみならず、日英両国の経済関係や関連する経済政策、英国経済の動向が我が国や日本企業に与える影響等に対する理解を深めること等を狙いとして、EU離脱・コロナ禍・世界情勢の変化等の状況も踏まえながら、英国の経済政策、通商政策、産業政策、金融業をめぐる動向、労働・移民政策、食料安全保障政策、日本企業をめぐる諸課題などを包括的に講義します。

これにより、英国を取り巻く経済事象について、多角的な観点から、これらに対する政策措置等とともに学ぶことで、経済動向や物事の動きについて本質の理解に近づくことができるよう授業を行いたいと思います。

(2025年度後期に開設される「各国経済論A II」においては、全講義の半分を通じて英国に係る現代的な課題、残りの半分を通じて、現代の経済政策・情勢・課題の背後に存在する、歴史的な背景、政策・制度の変遷等を取り上げます)

※講義は、教科書・参考書として挙げた文献に加え、講師が各種の文献を収集して作成したオリジナルのスライド教材を用いて実施します。教科書・参考書は、図書館に所蔵されています。

達成目標/Course objectives
・英国経済のみならず、日英両国の経済関係や関連する経済政策、英国経済の動向が我が国、日系企業に与える影響等に対する深い理解を持つ。
・本講義における学習や思考をめぐらすことで、グローバル化の進展する経済社会において、経済学を通じて、日本国内のみならず我が国を取り巻く世界の動向や時代の動きの本質を論理的に理解し、現実の様々な問題に応用できる人材となる。

学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)に基づき、当該科目を履修することで身につく能力 / Abilities to be acquired by completing the course in accordance with the faculty and graduate school diploma policy (graduation certification and degree conferral)
学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)/ Undergraduate and Graduate Diploma Policy (Graduation Certification and Degree Conferral)
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
欧州や世界の経済情勢について、新聞、雑誌などの様々な媒体を通じた情報に関心を一層寄せていただき把握・吸収していただき授業に臨まれると効果的な学習が可能になると考えます。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class ガイダンス、英国経済概況 【オンライン授業(オンデマンド型)での実施】
 ・英国経済の特徴・盛衰、経済指標
 ・マクロ経済政策の転換と構造改革
 ・EC加盟と貿易
2
授業計画/Class 英国の国内経済・社会問題
 ・英国の実体経済、社会
 ・経済指標・金融指標
 ・ソーシャル・ケア、医療問題
 ・住宅問題、教育問題
 ・移民
3
授業計画/Class 英国の労働市場、労働・移民政策
 ・EU域内の労働力移動、モビィティ促進政策
 ・中東欧諸国の新規加盟と労働力移動
 ・英国における新たな移民政策
 ・英国の労働市場
4
授業計画/Class 新たな英国とEUの関係
   ・EU加盟国としての英国の位置付け
 ・関税同盟、単一市場からの離脱
 ・英国・EU関係の変容 ―主権回復vs主権共有から、主権回復vsブリュッセル効果へ
 ・英国・EU貿易・協力協定(UK-EU Trade and Cooperation Agreement)
 ・EUとの経済関係変化による具体的影響
 ・連合王国内の4構成国
5
授業計画/Class 英国の新たな対外的な通商政策
 ・対世界貿易の変化
 ・英国の新たな通商政策、その経済へのインパクト
 ・CPTPP、英米FTA交渉、対インドFTA交渉
 ・英国の対中関係
6
授業計画/Class 日英包括的経済連携協定 (UK-Japan Comprehensive Economic Partnership Agreement)と日英経済関係
 ・日英EPAの位置付け・概要、日英の貿易上の位置付け
 ・日英EPAの概要
  ・関税分野(鉱工業品、農林水産品)、原産地規則とサプライチェーン
  ・金融サービス、デジタル貿易(電子商取引)
 ・日英EPA協定発効後の活用状況
7
授業計画/Class 英国金融業の過去と現在
 ・金融に目配りする理由、直接金融と間接金融、ネットワーク外部性、英国における投資銀行等
 ・英国金融業の歴史と現在(ビックバン以前、ビッグバン、世界金融危機への反省と対応)
8
授業計画/Class 英国金融業の優位性に係る考察
 ・ロンドンの金融市場としての優位性
 ・EU離脱のシティに対する影響と考察
9
授業計画/Class 授業内報告とそれに基づくディスカッション(1)
 ・要約等を行っていただく文献は、講義序盤で別途提示し、受講生の皆様の希望を踏まえて決定します。
10
授業計画/Class 英国の財政政策・金融政策
 ・世界金融危機前後の英国のマクロ経済運営
 ・キャメロン政権の緊縮的な経済政策とBrexit
 ・近時のマクロ経済運営(ジョンソン政権以降)
     ・積極財政への転換
   ・コロナ禍におけるマクロ経済政策運営
   ・BoEによる政策金利引き上げ等を通じた物価上昇への対応等
   ・スターマー労働党政権によるマクロ経済運営
11
授業計画/Class 授業内報告とそれに基づくディスカッション(2)
 ・要約等を行っていただく文献は、講義序盤で別途提示し、受講生の皆様の希望を踏まえて決定します。
12
授業計画/Class 英国の自動車産業
 ・英国の自動車産業、自動車市場概況
 ・英国の「グリーン産業革命」と新たな自動車政策の方向性
 ・英国の自動車産業をめぐる前向きな環境
13
授業計画/Class 授業内報告とそれに基づくディスカッション(3)
 ・要約等を行っていただく文献は、講義序盤で別途提示し、受講生の皆様の希望を踏まえて決定します。
14
授業計画/Class 英国の食料安全保障政策
 ・EUの共通農業政策から離脱後の英国における新たな農業政策の展開  ー生産性向上と環境持続可能性の両立ー
 ・英国における食料安全保障
   ・英国の食料安全保障政策の変遷、日本との対比
   ・サプライチェーン強靭性に係る検討
   ・環境、労働力確保問題等
15
授業計画/Class 講義全体のまとめ
 
事前学習/Preparation 講義教材に目を通して、概要を理解して下さい。
事後学習/Reviewing 講義内容の振り返りを行い、QAシートの回答を行うとともに、不明点、更に発展して学習したい点について、講師に連絡して下さい。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
補足事項/Supplementary notes・講義、授業内報告(プレゼンテーション)(希望者のみ)、QAシート記入を組み合わせて、双方向性を確保しながら授業を展開します。

・授業で使用する教材(講義資料と講義動画)は、事前にCourse Powerへのアップロードを行います。授業の中でも画面上に投影しますので、必ずしもプリントアウトしていただく必要はありません。

・質問やお答えについては、メールやCourse Powerを活用して行うことを考えています。
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 40% ・各授業において、理解度を確認するために、簡潔なQAシートをお配りします。
・授業における積極的な貢献(発言、質問等)を歓迎します。
これらから平常点を総合的に評価します。
2 その他 Others 60%
学生の皆様は、授業内報告の実施、又は、最終レポートの提出、いずれかを選んでください。
いずれも選んでいただいても、評価は公平に行われます


(授業内報告)
・課題文献(10ページ前後)の要約等を報告していただきます。(質疑応答を含めて25分程度を想定)
・複数の課題文献の候補を提示します。
授業内報告の評価は、構成、論理展開の明瞭性、発表内容の熟度、発表スタイル等から総合的に評価します。

(最終レポート)
・複数提示するテーマから、1つ選んでレポートを提出して下さい。
・記述の分量は、図表、引用等を含めてA4で3~4枚程度を予定しています。
最終レポートの評価は、構成、論理展開の明瞭性、記述内容の熟度等から総合的に評価します。
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法/Feedback methods for assignments (exams, reports, etc.)
・QAシートについては、その後の講義等において回答をお伝えしフィードバックを行う予定です。
・授業内報告に対しては講義内・講義後に講師からご報告へのコメント等を行い、平常点と合計して最終成績として評価の開示を行います。最終成績に占める割合は授業内報告が6割、平常点が4割です。
・最終レポートについては、平常点と合計して、最終成績として評価の開示を行います。最終成績に占める割合は最終レポートが6割、平常点が4割です。
教科書/Textbooks
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1 田中素香ほか著 現代ヨーロッパ経済 第6版 有斐閣アルマ 2022 2,900円+税 関税同盟・単一市場の制度面、EUの共通政策、英国経済の変遷等にも言及。(図書館には第5版まで所蔵) 第6版のISBN番号は「9784641221918」です。
2 本田雅子, 山本いづみ編著 EU経済入門 第2版 文眞堂 2022.3 9784830951640 2050円+税 EUの市場統合戦略、農業政策、競争政策、地域政策、財政、金融、労働、通商政策について、コンパクトに理解を深めることが可能です。
3 庄司 克宏 ブレグジット・パラドクス: 欧州統合のゆくえ 岩波書店 2019 9784000613323 2,100円+税 英国・EUの将来関係、従前の交渉推移、国家主権等にも言及。
4 桑原田 智之 英国のEU離脱と農業分野における諸課題, 国際貿易投資研究所『世界経済評論』Vol.63 No.2,pp.67-80 文眞堂 2019 0488132X 1,200円+税 英国の農業分野について、農業政策、労働、通商面におけるBrexitの影響に言及。
参考書/Reference books
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出版年
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1 須網 隆夫, 21世紀政策研究所 (編集) 英国のEU離脱とEUの未来 日本評論社 2018 9784535587359 2,000円+税 主権のあり方、単一市場、金融、労働・移民等、幅広く言及。
2 伊藤 さゆり EU分裂と世界経済危機 イギリス離脱は何をもたらすか NHK出版 2016 9784140884980 740円+税 英国のEU離脱による、日本・日本企業へのインプリケーションにも言及。
3 尾上 修悟 BREXIT 「民衆の反逆」から見る英国のEU離脱 -緊縮政策・移民問題・欧州危機 明石書店 2018 2,800円+税
授業関連情報/Class-related information
 件名/Title内容/Contents備考/Memo
2 講師website https://www.maff.go.jp/primaff/about/kenkyuin/kuwaharada_tomoyuki.html 研究内容も掲載しています。
メッセージ/Message

学生の皆様の興味、関心、向上心を刺激できますよう工夫して取り組みます。

英国経済、世界経済に関心を持つ学生の皆様すべてを歓迎いたします。履修登録に当たりまして、事前に確認しておきたいことがあられる場合は、どうぞE-mailでご連絡下さい。

その他/Others
 
 講師は、農林水産省、財務省、内閣官房、在外公館、民間企業(トヨタ自動車)等で、経済政策の企画・実施等に多様な観点から幅広く携わってきました。現在は、本学での教務に加え、農林水産省農林水産政策研究所で、欧州の農業政策、通商政策、労働政策等の研究を行っています。また、英国の大学院において、国際貿易、国際金融等の研究を行いました。これらの実務・研究経験を活かして、本授業においては、国内外の政策当局間の議論等を通じて得た感覚なども踏まえながら、多様な観点から英国の経済政策、経済情勢等を取りあげ、学生の皆様への講義を行いたいと考えています。

(講師略歴)
https://www.maff.go.jp/primaff/about/kenkyuin/kuwaharada_tomoyuki.html

・毎回の講義において、簡潔な択一方式等によるQAシート提出を行っていただくことを考えています。
 ・特別の配慮が必要な方は、事前に、お気兼ねなく、ご相談下さい。
 ・緊急の状況に直面した際は、心配せず、安全の確保等を最優先にし、可能となった時点で講師に連絡下さい

(※受講生数等状況に応じまして、授業計画などの調整を行わせていただく可能性があります)。
キーワード/Keywords
英国     イギリス     グローバルブリテン     Global Britain     Brexit     ブレグジット     EU     欧州     ヨーロッパ     TPP     経済政策     経済     実務経験