講義内容詳細:国際人権法

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年度/Academic Year 2024
授業科目名/Course Title (Japanese) 国際人権法
英文科目名/Course Title (English) International Human Rights Law
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 申 惠手
英文氏名/Instructor (English) SHIN Hae Bong

講義概要/Course description
国際的な人権基準に照らして、様々な人権問題について考えてみる科目である。主に日本の状況を念頭におくが、その関連で諸外国の制度や取り組みにふれることもある。

人権は元は国内法とりわけ憲法によって各国で認められてきたものだが、第二次大戦に至る過程で、ナチスドイツが緊急令で人権規定の効力を止めるなどして人権が無効化された経験から、戦後の国際社会では人権は国内だけの問題にしておいてはいけないことが強く認識された。政府が緊急事態宣言の濫用などによって人々の人権を奪おうとすることは今日でも決して非現実的な出来事ではなく、日本も例外ではない。

国際人権法は国連憲章の規定に始まり、世界人権宣言、各種の人権条約など今日まで目覚ましく発展し、国際法の体系の重要な一翼をなしている(かつ、それらは多くの国で国内でもそのまま効力をもっているから、国内法化もしている)。国ぐるみの人種差別体制であったアパルトヘイトを「国内問題だ」と言い張った南アフリカ共和国の主張が国際的には全く受け入れられず、アパルトヘイト撤廃に追い込まれた経緯は有名だが、人種差別や障害者差別などが行きつく恐ろしい結末(隔離にとどまらず、殺害、断種、、、)を経験している人類は、人間をどう扱うかにおいて、独断に陥ることなく、多数国間のフォーラム(そこではしばしば、市民の声が反映される機会もある)における熟議を通して築いてきた国際人権法の考え方を参照し、一人ひとりの尊厳が守られる社会を創っていくことが求められている。

日本は人権条約の個人通報制度に入っていないため(なぜだろう?それも考えてみよう)国際人権法は身近に感じられないかもしれないが、国際人権法は、私たちが人権問題に直面するときにとても有益な手がかりを与えてくれる。性同一性障害特例法の生殖不能要件の違憲判断において最高裁が(日本は入っていないヨーロッパ人権条約の)ヨーロッパ人権裁判所の判例を参考にしたように、人権をめぐる考え方は国際的にみても納得のいくものであるべきだとみなされるようになっている、ということも大事だ。

この授業では、国際人権法の内容(中身)と、国際人権法を実施していくための手続(国際的・国内的)の双方を広く対象とし、いろいろなテーマや題材を柔軟に取り上げながら国際人権法の世界をみていく。

必要な知識については講義を行うが、受講生が単に講義を聴くというだけでなく、他者の意見も参考にしながら理解を深めるため、グループディスカッションの時間ももつこととする。なお、挙げているテーマや順序はあくまで案であり、変更することがありうる。
達成目標/Course objectives
国際人権法の内容や手続について理解を深めるとともに、いろいろな人権問題について、憲法だけではなく国際人権法に照らしても考えることができる視座を身につけることである。
学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)に基づき、当該科目を履修することで身につく能力 / Abilities to be acquired by completing the course in accordance with the faculty and graduate school diploma policy (graduation certification and degree conferral)
学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)/ Undergraduate and Graduate Diploma Policy (Graduation Certification and Degree Conferral)
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class オリエンテーション(オンデマンド)
2
授業計画/Class 外国人の人権―入管収容(1)
3
授業計画/Class 外国人の人権―入管収容(2)
4
授業計画/Class 外国人の人権―難民認定をめぐって(1)
5
授業計画/Class 外国人の人権―難民認定をめぐって(2)
6
授業計画/Class 男女格差とジェンダー平等(1)
7
授業計画/Class 男女格差とジェンダー平等(2)
8
授業計画/Class 男女格差とジェンダー平等(3)
9
授業計画/Class 教育を受ける権利と国の義務(1)
10
授業計画/Class 教育を受ける権利と国の義務(2)
11
授業計画/Class 死刑制度(1)
12
授業計画/Class 死刑制度(2)
13
授業計画/Class ヘイトスピーチと表現の自由(1)
14
授業計画/Class ヘイトスピーチと表現の自由(2)
15
授業計画/Class まとめのテスト
 
事前学習/Preparation 授業で文献(指定教科書の一部など)を読んでおくことやディスカッションの準備をしておくことなどを指示された場合には、それに従って十分に準備すること。
事後学習/Reviewing 毎回の授業のノートや資料を保管・管理し、よく復習するとともに今後の学修にも活かすこと。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 100% 授業では随時、授業で扱った内容についての理解を確かめるためのミニクイズを含む簡単なペーパーを提出してもらう。これは成績評価の対象となる(全体で50%)。

その上で、学期末のまとめとして、振り返りのための授業内テストを行う(50%)。
教科書/Textbooks
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
1 東澤靖 『国際人権法講義』 信山社 2022