講義内容詳細:刑事訴訟法A

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年度/Academic Year 2018
授業科目名/Course Title (Japanese) 刑事訴訟法A
英文科目名/Course Title (English) Criminal Law Procedure A
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 酒井 安行
英文氏名/Instructor (English) SAKAI, Yasuyuki

講義概要/Course description
 人を殺した者は、死刑または無期もしくは5年以上の有期懲役に処される(刑法199条)が、刑法だけでは人を処罰することはできず、実際にこの規定を適用して処罰するには、ある人が本当に「人を殺した」のかを明らかにし、殺したとすれば上記の幅の広い刑罰の中でどの程度の刑罰を科するべきかを決定しなければならない。これを行うための手続きが刑事手続きであり、憲法、刑事訴訟法、刑事訴訟規則等に定めがある。そして、この手続きは、人の自由や財産という重要な利益(先進国では数少ない死刑存置国である日本では生命さえも)を強制的に奪うものであるから、もちろん、極めて公正で厳密なものでなければならない(「適正手続き」)。
  この講義では、この刑事手続きの流れを説明するとともに、刑事手続きというものが、上記のような意味で、国家と個人(被疑者、被告人)の鋭い対立関係(最近では、このほかに、「被害者」という個人もかかわってくるので、問題は、一層複雑になっている)を帰結するものであることから生ずる様々の原理的、解釈論的な対立について考えてみたい。刑事訴訟法Aでは、捜査を中心として、主として、手続きの前半部分を扱う。
達成目標/Course objectives
刑事手続きの前半部分の流れを理解し、それをめぐって生じる様々な論争について、その意味、背景等を踏まえて、判例、学説の概要を理解する。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class オリエンテーション&犯罪統計・データ
事前学習/Preparation course power で、事前に、資料(レジュメ等)を配布するので、教科書と合わせて、下読みしてくる。
事後学習/Reviewing 授業で扱ったテーマにつき、教室での話と上記資料を照らし合わせながら、自ら再考する。
2
授業計画/Class 刑事手続の歴史と基本原理・構造(当事者主義と職権主義、弾劾構造と糺問構造、実体的真実主義と適正手続き、令状主義等々)
事前学習/Preparation course power で、事前に、資料(レジュメ等)を配布するので、教科書と合わせて、下読みしてくる。
事後学習/Reviewing 授業で扱ったテーマにつき、教室での話と上記資料を照らし合わせながら、自ら再考する。
3
授業計画/Class 刑事手続きの関与者ー裁判所・裁判官、検察官、司法警察職員、被疑者・被告人、弁護人等々ー
事前学習/Preparation course power で、事前に、資料(レジュメ等)を配布するので、教科書と合わせて、下読みしてくる。
事後学習/Reviewing 授業で扱ったテーマにつき、教室での話と上記資料を照らし合わせながら、自ら再考する。
4
授業計画/Class 刑事手続きの関与者ー準当事者?としての犯罪被害者
*被害者の権利(保護,支援,手続参加)と刑事手続の理念・構造                      *日本における被害者の権利の急激な伸張
事前学習/Preparation course power で、事前に、資料(レジュメ等)を配布するので、教科書と合わせて、下読みしてくる。
事後学習/Reviewing 授業で扱ったテーマにつき、教室での話と上記資料を照らし合わせながら、自ら再考する。
5
授業計画/Class 捜査総論(1) *捜査の意義、原理、構造(司法警察と行政警察、弾劾的捜査観とは?,捜査機関ー検察官と警察官の関係ー
事前学習/Preparation course power で、事前に、資料(レジュメ等)を配布するので、教科書と合わせて、下読みしてくる。
事後学習/Reviewing 授業で扱ったテーマにつき、教室での話と上記資料を照らし合わせながら、自ら再考する。
6
授業計画/Class 捜査総論(2) *捜査の端緒ー職務質問、所持品検査等々ー                       *任意捜査と強制捜査
事前学習/Preparation course power で、事前に、資料(レジュメ等)を配布するので、教科書と合わせて、下読みしてくる。
事後学習/Reviewing 授業で扱ったテーマにつき、教室での話と上記資料を照らし合わせながら、自ら再考する。
7
授業計画/Class 強制捜査(1) *人身の自由と強制捜査(1)「逮捕と勾留(総論)」
事前学習/Preparation course power で、事前に、資料(レジュメ等)を配布するので、教科書と合わせて、下読みしてくる。
事後学習/Reviewing 授業で扱ったテーマにつき、教室での話と上記資料を照らし合わせながら、自ら再考する。
8
授業計画/Class 強制捜査(2) *人身の自由と強制捜査(2)「逮捕と勾留(関連諸問題)」
事前学習/Preparation course power で、事前に、資料(レジュメ等)を配布するので、教科書と合わせて、下読みしてくる。
事後学習/Reviewing 授業で扱ったテーマにつき、教室での話と上記資料を照らし合わせながら、自ら再考する。
9
授業計画/Class 強制捜査(3) *プライバシーと強制捜査(1)「捜索,差押え,検証等」(概念、一般的要件等の総論)
事前学習/Preparation course power で、事前に、資料(レジュメ等)を配布するので、教科書と合わせて、下読みしてくる。
事後学習/Reviewing 授業で扱ったテーマにつき、教室での話と上記資料を照らし合わせながら、自ら再考する。
10
授業計画/Class 強制捜査(4) *プライバシーと強制捜査(2)「捜索,差押え,検証等(関連する諸問題)ー身体検査、強制採尿?!ー」
事前学習/Preparation course power で、事前に、資料(レジュメ等)を配布するので、教科書と合わせて、下読みしてくる。
事後学習/Reviewing 授業で扱ったテーマにつき、教室での話と上記資料を照らし合わせながら、自ら再考する。
11
授業計画/Class 強制捜査(5) *科学的捜査に関する諸問題(電子情報の捜査,盗聴,DNA鑑定、GPS捜査等)
事前学習/Preparation course power で、事前に、資料(レジュメ等)を配布するので、教科書と合わせて、下読みしてくる。
事後学習/Reviewing 授業で扱ったテーマにつき、教室での話と上記資料を照らし合わせながら、自ら再考する。
12
授業計画/Class 捜査に関する現代的諸問題 (おとり捜査,刑事免責,司法取引)ー刑事司法改革の焦点:取調べの可視化とバーター?ー
事前学習/Preparation course power で、事前に、資料(レジュメ等)を配布するので、教科書と合わせて、下読みしてくる。
事後学習/Reviewing 授業で扱ったテーマにつき、教室での話と上記資料を照らし合わせながら、自ら再考する。
13
授業計画/Class 刑事手続と国際社会 *国際刑事裁判所,犯罪人の引渡し,国際司法共助等
事前学習/Preparation course power で、事前に、資料(レジュメ等)を配布するので、教科書と合わせて、下読みしてくる。
事後学習/Reviewing 授業で扱ったテーマにつき、教室での話と上記資料を照らし合わせながら、自ら再考する。
14
授業計画/Class 被疑者の取調べと被疑者の防御,被疑者弁護(1) (日本型刑事手続と取調べ,取調べと自白,取調受忍義務等
事前学習/Preparation course power で、事前に、資料(レジュメ等)を配布するので、教科書と合わせて、下読みしてくる。
事後学習/Reviewing 授業で扱ったテーマにつき、教室での話と上記資料を照らし合わせながら、自ら再考する。
15
授業計画/Class 被疑者の取調べと被疑者の防御,被疑者弁護(2) (弁護人の権限,刑事弁護の機能,接見交通権とその制限)
事前学習/Preparation course power で、事前に、資料(レジュメ等)を配布するので、教科書と合わせて、下読みしてくる。
事後学習/Reviewing 授業で扱ったテーマにつき、教室での話と上記資料を照らし合わせながら、自ら再考する。
授業方法/Method of instruction
基本的には講義方式による。参加者数、教室規模によっては、適宜、発問→応答等(いわゆるソクラテス方式)も含めてゆきたい。
成績評価方法/Evaluation
1 試験 Exam 100%
教科書/Textbooks
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Comments
1 シラバスの入力締切りが1月一杯であり、これから3月末にかけて多くの書籍が刊行、改訂されるため、現段階では決定できないので、講義開始までに決定し、course powe等で発表したい。
参考書/Reference books
 コメント
Comments
 
1 配布する(course powerを用いる)予定のレジュメで、個々に紹介する。
メッセージ/Message
刑事訴訟法Bも是非合わせて履修してほしい(同一曜日、同一時限です)。また、必修科目である刑法A,Bはもちろん、なるべく、刑法C、D(刑法各論)、刑事政策、刑事法特講B(少年法)等を、同時または異時に履修することが望ましいです。
その他/Others
上記の各回の授業計画は、使用する教科書の項目立て等との関係で、若干の微調整を行うことがあります。その場合は、course power その他で連絡します。