講義内容詳細:キャリアデザイン論Ⅱ/人材育成論Ⅱ

戻る
年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) キャリアデザイン論Ⅱ/人材育成論Ⅱ
英文科目名/Course Title (English) Career Design Ⅱ/Human Resource Development Ⅱ
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 山本 寛
英文氏名/Instructor (English) YAMAMOTO Hiroshi

講義概要/Course description
 本講義は、なお、各回の講義の資料・テストの公開は、講義当日の金曜13:20から翌日土曜23:59までとします。働く人のキャリアや人材育成に関係した問題として、働く人のエンプロイアビリティと専門性の問題を取り上げていきます。
 グローバル化やイノベーションの進展が著しい現代では、働く人は自分の能力を高めていく必要があります。そのためには、研修などの組織の役割と並んで自分自身の努力が重要になります。エンプロイアビリティは働く人の側の人材育成の問題です。エンプロイアビリティ(雇用可能性)とは、学生の皆さんでいえば、「社会人基礎力」や「就業力」すなわち企業に入社するための能力、つまり内定を獲得する能力や可能性などを指します。また、現在働いている人でいえば、勤めている企業がリストラを実施しても辞めさせられない能力または現在と同等以上の処遇で転職できる能力を指します。つまり現代では、働く人にとってエンプロイアビリティが高いことは、理想的な状態だといえます。本講義では、エンプロイアビリティについて、その実態についてデータを通して講じていきます。             また、エンプロイアビリティが密接に関係するものとして働く人の専門性があります。現代は、イノベーションを求める企業間競争が激化しています。そのため、組織は大企業を中心に、従業員の知識や専門性を重視する方向に転換しつつあるのです。働く人の側も、いくつかの調査結果にみられるように、働くことを通じた自身の成長のイメージとして「専門性の向上」を挙げる人の割合が高くなってきました。このように、組織の側も従業員の側も専門知識や専門性を重視するようになりました。講義の後半では、現代社会において重要性を増しつつある専門性の問題を取り上げます。
 本講義は、働く人のキャリアを問題としますので、キャリアデザイン論Ⅰ/人材育成論Ⅰと密接に関わっています。加えて、経営学部の講義のなかでは、組織で働く人の能力開発の問題を扱う人的資源管理論との関連が深いといえます。 また、本講義では、youtubeなどによって、現実の組織における能力開発関連の動向をビジュアルで感じてもらいます。
達成目標/Course objectives
 本講義の履修を通じて、自分自身のエンプロイアビリティ(就業力・社会人基礎力)や専門性を考えていくきっかけにしてもらいたいと考えています。例えば、サークル、アルバイトなどを含む今後の大学生活で重要となる、人と人とが触れ合う場面におけるコミュニケーション能力育成などです。それに加えて、資格取得、就職活動における自己分析やインターンシップなどを通した自己の適性や能力開発についても考えていく機会としてもらいたいと思います。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 【オンライン(オンデマンド型)】(以下の授業も全て同じ)第1回 オリエンテーション、エンプロイアビリティ(雇用可能性)の意義、過去と現在(第1回)
事前学習/Preparation 教科書序章及び第1章を予習する
事後学習/Reviewing 現代における働く人のエンプロイアビリティの意義や社会の変化や組織におけるエンプロイアビリティの重要性について理解する
2
授業計画/Class 第2回 エンプロイアビリティの過去と現在(第2回)、総論(第1回)
事前学習/Preparation 教科書(『働く人のためのエンプロイアビリティ』)第1章及び第2章を予習する
事後学習/Reviewing エンプロイアビリティの歴史的生成過程、その地域的な特徴とわが国における普及と現状について理解する。
3
授業計画/Class 第3回 エンプロイアビリティ総論(第2回):関係者、対象、分類
事前学習/Preparation 教科書第2章第3節から第4節を予習する
事後学習/Reviewing エンプロイアビリティの関係者、対象、分類について理解する
4
授業計画/Class 第4回 エンプロイアビリティ総論(第3回):次元、構成概念、エンプロイアビリティスキル、測定
事前学習/Preparation 教科書第2章第5節から第8節を予習する
事後学習/Reviewing エンプロイアビリティの次元、構成概念、エンプロイアビリティスキル、測定について理解する
5
授業計画/Class 第5回 エンプロイアビリティ総論(第4回)、大学生のエンプロイアビリティ(第1回):エンプロイアビリティの測定
事前学習/Preparation 教科書第2章第8節を予習する
事後学習/Reviewing 従業員自身のエンプロイアビリティの知覚やその測定方法について理解する
6
授業計画/Class 第6回 大学生のエンプロイアビリティ(第2回):定義、特徴等、構造分類、測定、スキル、育成
事前学習/Preparation 教科書第2章第1節のp.28を予習する

事後学習/Reviewing 大学生のエンプロイアビリティの定義、特徴、分類、測定等について理解する
7
授業計画/Class 第7回 大学生のエンプロイアビリティ(第3回)とエンプロイアビリティの要因と影響(第1回):就職不安とエンプロイアビリティ
事前学習/Preparation 教科書第2章第6節のpp.54-55を予習する

事後学習/Reviewing 大学生のエンプロイアビリティについて、エンプロイアビリティ・スキルとしての社会人基礎力や就職不安への対策等について理解する
8
授業計画/Class 第8回 エンプロイアビリティの要因と影響(第2回)
事前学習/Preparation 教科書第3章、第9章第4節を予習する
事後学習/Reviewing エンプロイアビリティに影響する個人属性その他の要因の影響を理解する
9
授業計画/Class 第9回 エンプロイアビリティの要因と影響(第3回)
事前学習/Preparation 教科書第4章、第9章第4節を予習する
事後学習/Reviewing エンプロイアビリティの従業員に対する影響を、国際比較の観点も含め実際のデータを通して理解する
10
授業計画/Class 第10回 雇用不安とエンプロイアビリティ(前半):量的不安とエンプロイアビリティ
事前学習/Preparation 教科書第10章を予習する
事後学習/Reviewing 雇用不安が従業員にマイナスに作用すること、エンプロイアビリティの高さがそれを緩和することについて、量的雇用不安と質的雇用不安の2つの観点から、実際のデータを通して理解する
11
授業計画/Class 第11回 雇用不安とエンプロイアビリティ(後半)、組織によるエンプロイアビリティ保障(第1回):質的不安とエンプロイアビリティ、エンプロイアビリティ保障総論
事前学習/Preparation 教科書第11章及び第12章を予習する
事後学習/Reviewing 組織の能力開発管理が、エンプロイアビリティを高めることを通して従業員にプラスに作用するという関係をわが国組織の実際のデータを通して理解する
12
授業計画/Class 第12回 組織によるエンプロイアビリティ保障(第2回):能力開発、その他施策からみたエンプロイアビリティ保障
事前学習/Preparation 教科書第13章を予習する
事後学習/Reviewing 能力開発管理以外のどのような人的資源管理施策が、エンプロイアビリティを高めることを通して従業員にプラスに作用するのかを、わが国組織の実際のデータを通して理解する
13
授業計画/Class 第13回 組織によるエンプロイアビリティ保障(第3回)、働く人の専門性と専門性意識(第1回):専門性の必要性、専門性の定義や特徴
事前学習/Preparation 将来の自分のキャリアにおいて、専門分野や専門性をどのように考えるか整理してみよう
事後学習/Reviewing 専門性の必要性、定義や特徴について理解する

14
授業計画/Class 第14回 働く人の専門性と専門性意識(第2回):専門性の分類、次元や構成概念、専門性と専門性意識の関係
事前学習/Preparation 属性やキャリアによる専門性や専門性意識の違いを、周囲の社会人を観察しながら考えてみよう
事後学習/Reviewing 専門性や専門性意識に影響する個人要因について理解するとともに、専門性や専門性意識と職務態度やキャリア意識との関係、職務行動や業績との関係について理解する



15
授業計画/Class 第15回 組織による従業員の専門性マネジメント:ナレッジマネジメントの観点、人的資源管理の観点
事前学習/Preparation 従業員の専門性を高めるための組織の働きかけにはどのようなものがあるか、考えてみよう
事後学習/Reviewing 専門性マネジメント(expertise management)の種類や機能等について理解する
授業方法/Method of instruction
①オンデマンド型のオンライン授業で行う。
②Course Power上にアップされた資料・テストに基づき順番に学習すること。
③各回の講義の資料・テストの公開は、講義当日の金曜13:20から翌日土曜23:59までとします。それ以前及びそれ以降はアクセスできないので十分注意すること
④ ②の資料はWebex上のクラウドからアップしたものである。
成績評価方法/Evaluation
1 試験 Exam 100% 各回の授業時に行われるテストの合計点(毎回とは限らないので注意すること)
教科書/Textbooks
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
ISBN価格
Price
1 山本寛  働く人のためのエンプロイアビリティ 創成社 2014 9784794424365 3672
2 山本寛 (仮)働く人の専門性と専門性マネジメント~ジョブ型雇用に向けて 創成社 2021
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
ISBN価格
Price
 
1 山本寛  転職とキャリアの研究[改訂版] 創成社 2008 9784794422835 3456
2 山本寛 なぜ、御社は若手が辞めるのか 日本経済新聞出版社 2018 9784532263751 918
3 山本寛 「中だるみ社員」の罠 日本経済新聞出版社 2017 9784532263324 918
4 山本寛  自分のキャリアを磨く方法 創成社新書 2008 9784794450227 864
5 山本寛 連鎖退職 日本経済新聞出版社 2019 9784532264031 935
6 山本寛編  働く人のキャリアの停滞 創成社 2016 9784794424808 2862
7 山本寛  昇進の研究[増補改訂版] 創成社 2014 9784794424396 3672
8 山本寛 人材定着のマネジメント 中央経済社 2009 9784502668500 3456
9 伊波和恵・髙石光一・竹内倫和編 マネジメントの心理学 ミネルヴァ書房 2014 9784623070565 2808
10 藤森立男編 産業・組織心理学 福村出版 2010 9784571250378 2592