講義内容詳細:経営演習Ⅰ(1)/経営演習Ⅱ(1)

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年度/Academic Year 2024
授業科目名/Course Title (Japanese) 経営演習Ⅰ(1)/経営演習Ⅱ(1)
英文科目名/Course Title (English) Seminar on Business Ⅰ(1)/Seminar on Business Ⅱ(1)
学期/Semester 前期 単位/Credits 2/4
教員名/Instructor (Japanese) 上枝 正幸
英文氏名/Instructor (English) UEEDA Masayuki

講義概要/Course description
 本講義「経営演習Ⅰ・Ⅱ」では、経済学や心理学の『理論』を援用して企業自体やその内部・外部の利害関係者の行動を予測し、導出された仮説をヒトの参加者による実験で『実証』する、実験経済学ないし行動科学といわれる学問分野を扱う。担当教員自身は、(主として)簿記・会計システムから産出される情報は、(1)企業の利害関係者の心(信念)や行動にどのように影響するのか、翻って、(2)情報作成側の企業・経営者はいかに情報開示戦略を策定するのか、延いては(3)いかなる財務報告の制度が社会的に最適でありうるかを分析している。
 演習の募集時に明示したように、しかしながら、本演習では、受講生自らの好奇心や関心に基づき、企業行動や関連制度の諸相の『理論』・『実証』研究に取り組み、どうしてこうなっているのか(現状のメカニズム解明)、かつまた今後どうなっていくのか(将来予測)を検討してゆく。募集に応じた受講生の希望調査でも、消費者行動や企業組織内部の心理・行動などをやってみたいという回答をもらっており、初志貫徹でそちらに向かっていただきたい。
 演習の具体的な進め方は、初回の結果いかんによるものになるが、少なくとも前期中は代表的な先行研究文献、すなわち公刊された書籍の章ないし研究ジャーナルの論文記事を担当者を決めて発表してもらいながら、皆で読解・議論するところから始めることになろう。さらに、物理・化学など自然科学ではない、社会科学分野の実験と一口に言われても俄かにイメージが一般にもち難いようであり、簡単なデモ実験を体験してもらう。夏休みには、自ら課題図書を決めて数冊を読破し、卒業論文のテーマを決めるべく、後期に2度の発表をし、ゼミ生間で議論することになる。
 4年次の卒業論文では、関心のあるテーマの先行研究をまとめ、あるいは自ら導いた仮説に基づく実証分析を実施し、結論を引き出してもらいたい。演習正規時間外のイベントについては、経営分析(サブゼミ)、年度初・年度末の親睦会や他大学(たとえば、同志社大商学部・田口聡志先生のゼミ=今年度は休止予定)との合同ゼミなど計画しているが、他大学との合同ゼミを除いて基本的には自由参加とする。
達成目標/Course objectives
 研究テーマ: ヒトの心理と企業行動(経済学・心理学と会計学)
 到達目標: 上記の研究テーマにつき、議論の概要やそのさいの方法論に関する知識を演習参加者全員で共有し、演習生が自らの関心に沿ったテーマを選定して研究を開始し、卒業論文の執筆につなげられること。4年次は、頻度の高い発表と議論を通じて、質の高い卒業論文の完成を目指す。
学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)に基づき、当該科目を履修することで身につく能力 / Abilities to be acquired by completing the course in accordance with the faculty and graduate school diploma policy (graduation certification and degree conferral)
学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)/ Undergraduate and Graduate Diploma Policy (Graduation Certification and Degree Conferral)
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
特にない。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 演習科目であり、授業計画は受講生の関心や進捗度によって大きく影響されることが当然に予想される。しかしながら、おおまかには、前期中は全員で共通した文献を輪読し、夏休み中にしっかりと準備をしてもらい、後期には受講生各位の発表によって演習の運営をしていくことになろう。
第1回 オリエンテーション(全般的なスケジュール設定と役割分担,演習の進め方の説明,自己紹介など)【対面授業での実施】
2
授業計画/Class 経済実験をやってみよう①-代表的な経済実験を実際に体験する(個人の意思決定)
3
授業計画/Class 経済実験をやってみよう②-代表的な経済実験を実際に体験する(経済主体同士の相互作用を伴うもの)
4
授業計画/Class 文献を読み議論①-経済実験系①:経済学ベースの文献を読み議論する①(ゲーム理論を含む)
5
授業計画/Class 文献を読み議論②-経済実験系②:経済学ベースの文献を読み議論する②
6
授業計画/Class 文献を読み議論③-経済実験系③:経済学ベースの文献を読み議論する③
7
授業計画/Class 文献を読み議論④-経済実験系④:経済学ベースの文献を読み議論する④
8
授業計画/Class 文献を読み議論⑤-心理実験系①:心理学ベースの文献を読み議論する①
9
授業計画/Class 文献を読み議論⑥-心理実験系②:心理学ベースの文献を読み議論する②
10
授業計画/Class 文献を読み議論⑦-心理実験系③:心理学ベースの文献を読み議論する③
11
授業計画/Class 文献を読み議論⑧-心理実験系④:心理学ベースの文献を読み議論する④,夏の合同ゼミ(同志社大学商学部・田口聡志先生)の準備開始
12
授業計画/Class 文献を読み議論⑨-経済実験と経済実験の融合①:二つの学問(ディシプリン)から仮説を導いて実験している文献を扱う①,夏の合同ゼミ(同志社大学商学部・田口聡志先生)の準備
13
授業計画/Class 文献を読み議論⑩-経済実験と経済実験の融合②:二つの学問(ディシプリン)から仮説を導いて実験している文献を扱う②,夏の合同ゼミ(同志社大学商学部・田口聡志先生)の準備
14
授業計画/Class 心理統計の基礎:実験でとったデータの分析に関する論点を扱う文献を議論する,夏の合同ゼミ(同志社大学商学部・田口聡志先生)の準備
15
授業計画/Class 前期のまとめ,夏季休業中のゼミ活動内容(合同ゼミ含む)の打ち合わせ,後期以降のゼミの概要説明
 
事前学習/Preparation 議論のため指定されたテキストを読解し、「CoursePower」上で小レポートを作成する。
統計学を扱う回においては、練習問題に解答する。
事後学習/Reviewing その回の議論をさらに深めるため、関連する文献を読解する。
統計学を扱う回においては、類似問題を解き、あるいは自身で入手したデータをもとに計算してみる。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
補足事項/Supplementary notes本講義は、初回を含めた全部の回で対面授業(通常型)で実施する。
前週までにテキストを配布し、自宅で予習しててもらう。
内容によっては、まとめの資料(レジュメ)を作成する担当者を設ける。
予習をもとに、少人数(3-4名)のディスカッションをし、その後、司会を決めて全員(12名―)でのディスカッションを実施する。
経済実験を実際に体験してもらうことも重要な授業内の活動になる。
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 100%  平常点のみ
(*)演習科目であり、コースへの総合的な貢献と最終的な成果物によって評価する。
教科書/Textbooks
 コメント
Comments
1 行動科学系・心理系については、1冊の書籍を精読するよりもそのうちの1章および研究雑誌の1本の論文などの文献を幅広く読みたい。 後期については、ゼミを進行していく中で指定したい。 「経営演習Ⅱ」(4回生)は、後期を中心として、卒業論文の内容を発表してもらいたい。
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
ISBN価格
Price
 
1 椎葉淳・高尾裕二・上枝正幸 『会計ディスクロージャーの経済分析』 同文舘 2010 449519531X 4,180
2 サラ・E・ボナー(田口聡志監訳,上枝正幸・水谷覚・三輪一統・島津邦洋訳) 『心理会計学―会計における判断と意思決定』 中央経済社 2012 4502453501 5,040
メッセージ/Message
真剣勝負の、厳しくも、楽しい演習(ゼミ)の時間を今年度も一緒に作っていきましょう。
その他/Others
ゼミ生は、ゼミ時間までに課題文献を読み、ノートにまとめておくことが求められる。
当該まとめノートを用いながら、ゼミの正規時間内で議論が行われる。