講義内容詳細:宗教哲学

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年度/Academic Year 2025
授業科目名/Course Title (Japanese) 宗教哲学
英文科目名/Course Title (English) Philosophy of Religion
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 茂 牧人
英文氏名/Instructor (English) SHIGERU Makito

講義概要/Course description
現代の時代は、目に見えない領域について語ることが遠ざけられた時代である。そのため宗教について語ることが難しい。これまで、宗教は、人間の超越する次元を問題にしてきたが、その問題の仕方自身に行き詰まりを感じてもいる。それは、西洋のギリシア哲学によって補強されたキリスト教理論が、ヨーロッパの大きな教会堂のような構築物を立ててきたからでもあった。そのような理論を形而上学というが、それを解体して、現代に合う宗教哲学を構築する必要がある。<形而上学の克服>としての宗教哲学を展開したい。そのためには、神の不在や、隠れたる神の神学を問う。つまり、我々の足元に深淵・脱根底が広がっており、それを否定神学的に問う。それによって、本当に愛するとは、赦すこととは何かを問うことができる。その形而上学の神に対して、現代あった神概念を問う。それは<栄光の神学>に対する<十字架の神学>(ルター)であり、<哲学者の神>に対する<アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神>(パスカル)であり、<宗教性A>に対する<宗教性B>(キルケゴール)である。そのような新たな宗教哲学の可能性を問う。
達成目標/Course objectives
現代に適した新たな宗教哲学の可能性を理解する。
学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)に基づき、当該科目を履修することで身につく能力 / Abilities to be acquired by completing the course in accordance with the faculty and graduate school diploma policy (graduation certification and degree conferral)
学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)/ Undergraduate and Graduate Diploma Policy (Graduation Certification and Degree Conferral)
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
宗教を哲学することを楽しむ。積極的に参加する。欠席しない。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class introduction。問題提起。現代の宗教哲学の可能性について。
*第1週はオンライン授業(オンデマンド型)での実施
2
授業計画/Class アウグスティヌスについて。
3
授業計画/Class アンセルムスの存在論的神存在証明について。
4
授業計画/Class デカルトの存在論的神存在証明についてのカントの批判。
5
授業計画/Class トマス・アクィナスについて。
6
授業計画/Class ルターの<十字架の神学>について。(形而上学の解体)
7
授業計画/Class ニーチェの「神の死」について。
8
授業計画/Class ハイデガーの<形而上学の克服>のモチーフ。
9
授業計画/Class アブラハムのイサク犠牲の物語について。キルケゴールの宗教性Aに対する宗教性Bについて。
10
授業計画/Class 赦しの可能性その1。
11
授業計画/Class 赦しの可能性その2。
12
授業計画/Class 十字架の赦しの逆説の論理(パスカルの繊細の精神と初期ヘーゲル)。
13
授業計画/Class 交換・贈与・純粋贈与について
14
授業計画/Class ハヤトロギアとオントロギア(有賀鐵太郎)について
15
授業計画/Class 最終講義
 
事前学習/Preparation レジュメを読んでくる。
事後学習/Reviewing 当該の思索を理解できたか確認する。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 レポート Report 70%
2 平常点 In-class Points 30%
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法/Feedback methods for assignments (exams, reports, etc.)
第1回レポート:神存在証明とその批判
第2回レポート:ルターの<栄光の神学>と<十字架の神学>との区別
第3回レポート:アブラハムのイサク犠牲における<宗教性A>と<宗教性>(キルケゴール>について
第4回レポート:赦しの可能性について
第5回レポート:ハヤトロギアとオントロギアについて あるいは 最終講義について
教科書/Textbooks
 コメント
Comments
1 毎回の授業でレジュメを配布する。
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
 
1 茂 牧人 『ハイデガーと神学』 知泉書館 2011年
2 茂 牧人 『否定神学と<形而上学の克服> シェリングからハイデガーへ』 知泉書館 2023年