講義内容詳細:文化産業概論

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年度/Academic Year 2025
授業科目名/Course Title (Japanese) 文化産業概論
英文科目名/Course Title (English) Cultural Business
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 馬場 広信
英文氏名/Instructor (English) BABA Hironobu

講義概要/Course description
 第1回授業開始前から、Course Power の「事前準備・アンケート」フォルダにアクセスし、ハンドアウトとレスポンス・カード記入用紙 pdf を紙に印刷し、メモをとりながら受講してください。そこに設置したアンケートに回答してください。第1回講座はオンデマンド形式ですが受講必須です。アンケート回答がない、ないし第1回講座未受講の履修生には無条件で単位を与えません

 マス・メディア以降の出版産業を中心に、文化産業出版の歴史を学びます。
 After COVID-19 の現代、文化産業は大きな転換点を迎えています。そこで本講座では、史実や世界情勢、テクノロジーの変化が文化産業を勃興・衰亡させていった事例を学びます。また情報も文化産業最大の商品です。いわゆるフェイク・ニュースを偽りと見抜くリテラシーを身につける基礎を指導します。

 21世紀にインターネットが普及したため、出版ビジネス(書籍、新聞雑誌などの定期刊行物、動画音楽ソフト)は20世紀のように大きな利益を生み得ません。ただ、そもそも文化とは近代社会で、自立して経済活動をもたらすとは言い難いのです。文化が商品となったのではなく、権威や広告というパトロネージないしスポンサーの力で、文化産業という虚業が成立していたとすら考えられます。
 一方で映画や音楽は興行やソフト産業として、衰退の流れを食い止めることはほぼ不可能でしょう。テクノロジーと両産業の関係を踏まえて理由を認識しなければ、有為な展望は開けないと言えます。その好例が、音楽や動画の違法アップロード・サイト問題でしょう。加えてサブスクリプション型ビジネスが発展する現代は、文化産業における「文化」の質を軽視する傾向に向かっています。その理由として、今世紀に主流となったネット言論の傾向を知る必要があります。
 本講座では主に書籍、定期刊行物、音楽、動画出版産業の歴史を学びます。産業構造の変化はもとより、産業としての成立用件も考えてゆきます。高校レベルの世界史が身についていることを前提に講義を進めます。
 毎回授業終了時には、20分でその日の講義で何を学んだか、レスポンス・カードにまとめて、提出してもらいます。提出がない場合は欠席として扱います。
 履修生の関心に応じて、ワークショップを講座に組み込む可能性があります。
 第4回以降の内容は変更する場合があります。その際には教場でのみ指示します。
 試験は定期試験期間に行います。

達成目標/Course objectives
文化産業の二つの利益について説明できるようになる。
出版産業の歴史を正確に説明できるようになる。
産業と文化の関係を読解する基盤となる教養を身につける。
マス・メディア以降の情報産業と出版産業の関係を論じられるようになる。
正しい日本語で講義や書籍の要約を、短時間で書けるようになる。
情報報道の信憑性を的確に判断できるようになる。
学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)に基づき、当該科目を履修することで身につく能力 / Abilities to be acquired by completing the course in accordance with the faculty and graduate school diploma policy (graduation certification and degree conferral)
学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)/ Undergraduate and Graduate Diploma Policy (Graduation Certification and Degree Conferral)
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
* 期末試験準備に必須の書物は自己調達してもらいます。本学図書館に所蔵がないこともあり得ますので、地元などの地域図書館に行き、読書する時間を確保してください。
* 必ず鉛筆ないしシャープ・ペンと消しゴム、ノートでメモをとりながら受講してください。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 【オンデマンド形式で配信。第3回講座前日まで公開。必修】
オリエンテーション/著作権 (1): 盗用と剽窃
2
授業計画/Class 文化と産業: 経済的利益と権威的利益、パトロネージは産業か?
著作権 (2):守られるのは経済的利益だけではない ネット時代の危機
3
授業計画/Class 文化産業の宿痾: PR 会社、IT 企業、フェイク・ニュースのスポンサーはだれか? 
「リサーチの自由」を制限して利潤を出す企業体
4
授業計画/Class 書籍 (1): 産業の成立要件、欧米出版産業の大規模化 20世紀情報革命と出版社
5
授業計画/Class 書籍 (2): 日本の書籍出版史
出版社の種類、出版コングロマリット
電子ブックは購入可能か?
6
授業計画/Class 定期刊行物 (1): 欧米型新聞の成立、政見新聞から報道新聞へ
7
授業計画/Class 定期刊行物 (2): 欧米大衆紙勃興と広告収入、産業の発達
欧米雑誌の歴史
8
授業計画/Class 国際通信社と広告代理店
日本広告代理店の特徴(1): PR会社との違い
9
授業計画/Class 定期刊行物 (3): 日本の新聞 (1) 幕末から大逆事件まで
10
授業計画/Class 定期刊行物 (4): 日本の新聞 (2) 明治天皇崩御から西山事件まで/日本の雑誌の特徴
11
授業計画/Class 音楽ソフト (1): 録音出版とラジオ、ハードの普及とソフトの充実の相関関係
日本広告代理店の特徴(2): コンテンツ作成
12
授業計画/Class 音楽ソフト (2): 著作権と著作隣接権、i-Tunes 革命と音楽ソフトの付加価値、ハード対ソフトの構図からPC アプリ依存へ
文化と助成金 (1): 有形文化財
13
授業計画/Class 動画ソフト (1): 著作隣接権と動画の原典版、劇場映画産業の隆盛と終焉
14
授業計画/Class 文化と助成金 (2): 日本の無形文化財
15
授業計画/Class 文化と助成金 (3): 日本と欧米の違い、知的所有権問題
ネット時代の広告: 著作者、配信者の倫理的責任
 
事前学習/Preparation 返却されたフィードバックを復習し、前々回の講義内容をハンドアウトと自分のメモと照らし合わせ、どう書くべきだったかを復習しておく。
事後学習/Reviewing 講義内容を復習し、自分が提出したリアクション・カードが適切に書けていたか確認し、問題点を確認する。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
補足事項/Supplementary notes講義で聴いた内容を、指定された書式で、間違いがないようにまとめる能力を涵養します。リアクション・カードは講義当日にのみ提出可能です。欠席回のカードは受け付けません。
指示を守っていない課題は0点となります。従って授業に出席し続けても、早い段階で単位取得要件を満たさなくなった履修生には、その旨 Course Power を通じて知らせます。
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 60% レスポンス・カードを5段階で評価、次の講義の冒頭で添削の上返却。詳細は第1回授業で告知。
出席しただけでは平常点を与えません。指示した方法で、レスポンス・カードを最低9回執筆・提出することが必須です。
進路が決まっていない4年生にも、特別な配慮はしませんので、注意してください。
第13回の講義までに、すでに獲得した平常点を出します。この段階で基準の平常点に満たない履修生は、期末試験受験資格を喪失します。つまり単位を与えません。
2 試験 Exam 40% 定期試験期間に実施。
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法/Feedback methods for assignments (exams, reports, etc.)
前回提出したレスポンス・カードを次の回の授業開始前に返却。Course Power での提出はできません。
教科書/Textbooks
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参考書/Reference books
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タイトル
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出版社
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1 レイ・ブラッドベリ著、北山克彦訳 ベスト版 たんぽぽのお酒 晶文社 2023 978479497390 2,200円 電子書籍版でも可。授業では一切触れませんが、期末試験でこの作品を読んでいることを前提とする問題を出します。
2 烏賀陽弘道 フェイクニュースの見分け方 新潮新書 2017 880 第13回までのレポート執筆の参考書として推薦します。第3回までの講義内容の復習や応用に使用しましょう。
3 烏賀陽弘道著 完本福島第一原発メルトダウンまでの五十年 悠人書院 2021.9 9784910490014 3500円+税 出版社からの通販でのみ入手可能。授業では一切触れませんが、ジャーナリズム原則と取材の方法を学び、現代日本を生きるために必須の知識を得るために強く勧めます。 蔵書情報 / Library information
4 ベネディクト・アンダーソン著 ; 白石隆, 白石さや訳 定本想像の共同体 書籍工房早山 2007.7 9784904701089 2000円+税 教場では使用しませんが、是非読了し、欧米の定期刊行物発展の基礎を学びましょう。 蔵書情報 / Library information
5 谷崎潤一郎著 文章讀本 中央公論社 1996.2 4122025354 540円 教場では使用しませんが、是非読了し自分の文章執筆に役立ててください。 蔵書情報 / Library information
メッセージ/Message
書くことと聴くことが主となる講座です。書くことが苦ではない学生のみ履修してください。コピー&ペーストは発覚し次第単位取得要件を喪失します。
フィードバックは、次の回の授業開始前に返却しますので、受け取ったらすぐに内容を確認し、当日のリアクション・カード執筆に活用してください。
フィードバックには単位取得に関わる重要な警告を記す場合があります。前期にはフィードバックを読まず放置したため、第8回講義までに単位取得資格を喪失した履修生が複数出ました。例外は一切認めませんので、自分で責任をもって行ってください。
その他/Others
オフィス・アワーは設けていません。質問・相談は授業終了後、教室でのみ受け付けます。メールなどによる相談には一切対応しません。
こちらからもメールによる連絡は、休講など緊急時を除き行いません。

キーワード/Keywords
ジャーナリズム     出版産業     テクノロジーと文化     文化財保存     学術的文章の書き方(日本語)     フェイク・ニュース