講義内容詳細:美術史(2)/美術史(日本)

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年度/Academic Year 2023
授業科目名/Course Title (Japanese) 美術史(2)/美術史(日本)
英文科目名/Course Title (English) Art History 2/Art History - Japan
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 加來 水緒
英文氏名/Instructor (English) KAKU Mio

講義概要/Course description
近年、世界最高落札額やアーティスト・レコード(作家ごとの最高落札額)が毎年のように更新されるなど、世界のアートマーケットはかつてない程の活況を呈しています。海外のマーケットにおいて高い評価を得る日本人作家も増えてきており、アートの高額消費がニュースとして報じられる中で、誰が何のためにアートを購入し、どのような流通プロセスを経てアートの価値が決められているのかに関しては、掘り下げて語られることは殆どありません。

本講義では、アート取引の場であるマーケット/市場に焦点をあて、一般的な美術史のアプローチとは異なる「マーケットからみた美術史」として講義を行います。主に国内外の現代アートの作家を取り上げますが、作品の読解と合わせて、その作品取引に関連した著作権、追求権などの法的枠組みや真贋問題等の事象も取り上げていきます。
講義前半はマーケットの基礎知識として、現代のアートマーケットの構造や成り立ち、アートマーケットにおけるプレイヤー(作家、コレクター、ギャラリー、オークションハウス等)の働き、アートの価格形成の仕組み等を、講師が自らの実務経験に基づき解説します。また、学外授業として、授業期間中に開催されるアートオークションの展示会場に於いて、実際の出品作品を鑑賞する機会を設ける予定です。
達成目標/Course objectives
① アートマーケットの構造や成り立ち、アート作品の価値や価格形成の仕組みを理解すること
②「鑑賞対象としてのアート」だけではなく「経済活動としてのアート」への理解を深め、アートに対する多角的な視点を養うこと
③ 現代アート作品の読解力を養うこと、また作品鑑賞を通して感じた気持ちを表現できるようになること
学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)に基づき、当該科目を履修することで身につく能力 / Abilities to be acquired by completing the course in accordance with the faculty and graduate school diploma policy (graduation certification and degree conferral)
学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)/ Undergraduate and Graduate Diploma Policy (Graduation Certification and Degree Conferral)
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
特になし
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 【オンライン授業(オンデマンド型)】ガイダンス:講師紹介、授業概要
2
授業計画/Class アートマーケットの構造とその規模 【ディスカッション:皆さんのアート体験教えてください!】
3
授業計画/Class アートマーケットのプレイヤー① 作家 美術館、コレクター 
4
授業計画/Class アートマーケットのプレイヤー② ギャラリー、アートフェア、メディア
5
授業計画/Class アートマーケットのプレイヤー③ オークション、アート作品の流通のしくみ
6
授業計画/Class 【学外授業】アートオークションの下見会会場にて作品鑑賞  ※日程が変更になる可能性があります
7
授業計画/Class アート作品の価格設定について①
8
授業計画/Class アート作品の価格設定について② 【グループワーク】
9
授業計画/Class 奈良美智『KNIFE BEHIND BACK』作品読解【グループワーク】
10
授業計画/Class 奈良美智『KNIFE BEHIND BACK』作品解説
11
授業計画/Class 草間彌生『南瓜』作品読解【グループワーク】
12
授業計画/Class 草間彌生『南瓜』作品解説 / アートの真贋問題
13
授業計画/Class 著作権と追求権
14
授業計画/Class リチャード・プリンス『New Portraits』作品読解【グループワーク】
15
授業計画/Class 【ゲストスピーカーによる特別授業】リチャード・プリンス『New Portraits』と著作権
※日程が変更になる可能性があります
 
事前学習/Preparation シラバスにあらかじめ目を通しておくこと
事後学習/Reviewing 講義の内容を復習し、理解を深めること
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
補足事項/Supplementary notes講義は基本的にパワーポイントのスライドショーを投影した対面形式で行いますが、ディスカッションやグループワークも取り入れたインタラクティブな授業形態を採用しています。毎回ではありませんが、講義内にCourse Power上で課題の提出をしてもらうこともありますので、各自ノートPCやタブレット端末(携帯可)などを用意してください。
学外授業やゲストスピーカーによる特別授業の機会も設ける予定ですが、授業の内容や日程が変更になる可能性があります。
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 60% グループワークやディスカッションにおける参加態度・積極性・貢献度、課題内容
2 その他 Others 40% 課題への回答率
教科書/Textbooks
 
1
メッセージ/Message
日本が政策の一環としてアート産業を高付加価値・成長産業として拡大させていくことを目指している今、アートを経済活動の一種として捉えた研究はより一層必要になっていく分野です。アートに関する多角的な視点・視座を身に付け、将来的にアートマーケットが如何に発展可能なのかを皆さんで一緒に考えていければと思います。
その他/Others
学外授業として、授業期間中に開催されるアートオークションの展示会場に於いて、実際の出品作品を鑑賞する機会を設ける予定です。
キーワード/Keywords
美術     アート     経済     オークション     実務経験     アート・マーケット     現代アート     クリエイティブ     マーケット