講義内容詳細:物理数学Ⅰ

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年度/Academic Year 2024
授業科目名/Course Title (Japanese) 物理数学Ⅰ
英文科目名/Course Title (English) Mathematics Ⅰ
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 三井 敏之
英文氏名/Instructor (English) MITSUI Toshiyuki

講義概要/Course description
ベクトルは自然現象を物理的に記述するために使われます。よって、ベクトルの概念を理解することは、特に電磁気学や力学をより深く理解するのに役立ちます。また、ベクトルはゲームなどの物理的な3次元シミュレーションにも欠かせません。そこで本講義では、ベクトルに関連する一般的な公式の証明や例題だけでなく、ベクトルの基本的演算から、スカラー勾配、ベクトルの発散と回転、積分の定理などについて、直感的に理解できるように多くの図解を交えて解説をします。


達成目標/Course objectives
この講義は、ベクトルにかかわる演算から微分、積分定理まで、直観的に理解できるようになることを目標とします。ベクトルをもちいる力学、電磁気学、流体力学、相対論、量子力学等の科目の理解が深まることをゴールとします。
学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)に基づき、当該科目を履修することで身につく能力 / Abilities to be acquired by completing the course in accordance with the faculty and graduate school diploma policy (graduation certification and degree conferral)
学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)/ Undergraduate and Graduate Diploma Policy (Graduation Certification and Degree Conferral)
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
特にありません。教科書の購入はお早めにお願いします。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 第1回 ベクトル代数、ベクトルの内積・外積、幾何とベクトル
教科書の第1章の外積まですすめます(初回オンディマンド)
2
授業計画/Class 第2回 ベクトルに関する三重積からベクトルの相反系
スカラー三重積では、その図形としての意味を説明します。ベクトルの相反系では固体物理の逆格子ベクトルとの関係についても考察します。
3
授業計画/Class 第3回 ベクトルのパラメータ表示による曲線について、スカラー場・ベクトル場
教科書の第2章2.1の「変数をもちいたベクトル」から、第3章のスカラー場とベクトル場のイントロまでを説明します。
4
授業計画/Class 第4回 流線から勾配まで
流線は、流線の密度がベクトルの強さを示すところまで正確に描けるように説明をします。勾配については、計算だけでなく、勾配の方向がスカラー場に対してどのような意味を持つのか、勾配に垂直な方向についても説明をします。
5
授業計画/Class 第5回 発散と回転
発散と回転は、計算のパターンさえ覚えてしまえば非常に簡単です。しかし、この回の目的は、第12回以降の講義で説明する曲線座標系における発散と回転を直感的に理解することでもあります。そのために、発散や回転と同じ計算パターンになる特殊なベクトルの計算を図をもちいて説明します。この回の式変形は、電磁気の理解に役に立つでしょう。
6
授業計画/Class この第6回、あるいは第7回あたりで中間試験をします。
7
授業計画/Class 第7回 線積分と面積分
中間試験のコメントをして、その後に第4章の線積分と面積分の説明をします。
8
授業計画/Class 第8回 ガウスの発散定理
この定理は、応用として電場や熱の移動を導く際にもちいられます。今回は、この定理を簡易的に証明します。他の講義科目でも紹介される発散定理ですが、実際に証明をするのは、この講義だけでしょう。
9
授業計画/Class 第9回 ガウスの積分
この回で説明する積分は、その解き方がとても興味深いです。教科書の71ページに書いてあります。そのあたりを説明します。
10
授業計画/Class 第10回 ストークスの定理
ストークスの定理を簡易的に証明します。一時間くらいかけて証明をするのですが、貴重な経験と捉えて証明の流れを学んでください。
11
授業計画/Class 第11回は二度目の中間試験です。ストークスの定理までが範囲です。
12
授業計画/Class 第12回 曲線座標
教科書第5章の曲線座標の説明をします。まずは一般的に直交曲線座標について説明をします。そして、極座標と円筒座標を例として、直線の座標系からの曲線座標へのさまざまな変換について説明をします。
13
授業計画/Class 第13回 極座標、円柱座標系における勾配、発散、回転を説明します。
14
授業計画/Class 第14回 テンソル
相対論、流体力学やソフトマテリアルの数値計算において利用されるテンソルです。ここでは「ベクトルの関数」として説明をする程度ですが、基礎的な概念を理解しておくことを強くすすめます。
15
授業計画/Class 第15回 総合テストをします。出題範囲は、第1回から14回までのすべてですが、特に曲線座標以降のからの出題割合を多めにします。
 
事前学習/Preparation シラバスに記載された内容に関して、事前に教科書を読んでくることをすすめます。
事後学習/Reviewing 講義内容の復習を兼ねて宿題の演習や、教科書の問題を解くことをすすめます。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
補足事項/Supplementary notes資料閲覧や宿題の配布・提出はCourse Powerを使用します。
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 試験 Exam 70% 二回の中間試験と期末試験
2 その他 Others 30% 課題
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法/Feedback methods for assignments (exams, reports, etc.)
試験は返却する予定です。
教科書/Textbooks
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
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1 三井 敏之/山崎 了【著】 物理数学―ベクトル解析・複素解析・フーリエ解析 日本評論社 ネットでも購入できます。
メッセージ/Message
CGにより描いた勾配、発散、回転などを紹介して、ベクトルの理解を深めます。宿題やテストは、教科書の問題、あるいはそれに類似した問題を出題します。教科書の訂正表はコースパワーにアップロードします。