講義内容詳細:解析学ⅠB

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年度/Academic Year 2024
授業科目名/Course Title (Japanese) 解析学ⅠB
英文科目名/Course Title (English) Analysis IB
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 西山 享
英文氏名/Instructor (English) NISHIYAMA Kyo

講義概要/Course description
● 解析学はものの量とその変化を扱う学問であり,自然科学を学び,活用する上で必要不可欠なものである.この講義では「解析学 IA」の発展として,主に多変数関数の微分法と積分法を学習する.以下の内容・理論を理解し,具体的な計算が自由にできるようになることが目標である.
具体的な内容:偏微分・全微分,多変数関数のグラフと接平面の方程式,多変数の合成関数の微分公式,多変数関数のテイラー展開,多変数関数の極値判定,重積分・逐次積分,変数変換公式.
●学習効果を高めるために, 並行して「数学演習 B」を履修すること.
●「解析学IB」は多数開講されているが,担当者によって教える順序が異なる可能性がある.また「解析学 IA」と「解析学 IB」の内容の一部を入れ替えて講義することもあるので,「解析学 IA」「解析学 IB」とも同じ時間の同じ担当者の講義を受講すること. 
達成目標/Course objectives
この講義では,「解析学 IA」に引き続き,主に多変数関数の微分法と積分法を学習する.講義内容を理解し,具体的な計算が自由にできるようになることを目標とする.
学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)に基づき、当該科目を履修することで身につく能力 / Abilities to be acquired by completing the course in accordance with the faculty and graduate school diploma policy (graduation certification and degree conferral)
学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)/ Undergraduate and Graduate Diploma Policy (Graduation Certification and Degree Conferral)
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
高校までの数学(特に数学III)を身につけていること.また「解析学 IA」 を受講し,その内容をよく理解していること.
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 【オンライン授業(オンデマンド型)での実施】第一回目の講義はコースパワーを利用したオンデマンド方式で行う.
「解析学IA」の内容の復習を行う.
2
授業計画/Class 多変数関数,偏微分と全微分.
多変数関数の偏微分と全微分,高階導関数について解説する.また,ラプラシアンを定義し,一次近似と接平面について解説する.
3
授業計画/Class 空間内の直線と平面,グラフの接平面.
空間内の直線と平面の方程式およびパラメータ表示について解説する.その応用として,多変数関数のグラフと接平面の公式を述べる.
4
授業計画/Class 多変数関数の合成関数の微分公式.
全微分の行列(ヤコビ行列)を定義して,多変数関数の合成関数の微分法(連鎖律)について解説する.
5
授業計画/Class 多変数関数のテイラーの定理.
多変数関数のテイラーの定理・テイラー展開,高次近似について解説する.
6
授業計画/Class 多変数関数の極値問題.
多変数関数の極大・極小,停留点,ヘッセ行列について述べたあと,判別式を用いた極値判定法について解説する.
7
授業計画/Class 多変数関数の最大値,最小値問題.
多変数関数に対する最大値の定理について述べ,最大値,最小値問題の解法について解説する.
8
授業計画/Class 境界付きの極値問題.
ラグランジュの未定乗数法を述べ,境界付きの領域の場合に,2変数関数の最大・最小値の求め方について解説する.
9
授業計画/Class 重積分と逐次積分.
長方形領域上の重積分をリーマン和により定義し,逐次積分との関係を解説する.
10
授業計画/Class 有界領域上の重積分.
図形の不等式表示に基づく重積分・逐次積分の計算法について述べる.また,積分順序の公館について開設する.
11
授業計画/Class 図形の面積・体積と重積分.
重積分の図形の面積,体積の計算への応用に関して解説する.
12
授業計画/Class 変数変換公式.
重積分の変数変換公式,とくに極座標による重積分に関して解説する.
13
授業計画/Class 広義積分,
重積分の広義積分をどのように定義して計算するのかを解説する.応用としてガンマ関数の半整数点における値を求める.
14
授業計画/Class 重積分の応用と広義積分.
重積分の変数変換を用いて,ガンマ関数の特殊値の計算,ガンマ関数とベータ関数の間の関数等式など重積分の応用と広義積分について解説する.
15
授業計画/Class 偏微分作用素の変数変換.
変数変換により偏微分作用素がどのように変化するかを解説する.とくに極座標変換について詳しく述べ,ラプラシアンの極表示を与える.応用として,偏微分方程式,とくに波動方程式の解法を解説する.
 
事前学習/Preparation 前回の講義の復習,教科書の該当箇所を予習する.自筆のノートを整理する.
事後学習/Reviewing その回の講義の復習をし,ノートを整理する.宿題と紹介された定理の例を考え実験してみる.教科書の該当箇所を確認し,演習問題などを解く.
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
補足事項/Supplementary notes【対面授業(通常型)】講義形式で行う.第一回目の講義のみコースパワーを利用したオンライン(オンデマンド型)の講義を行う.
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 試験 Exam 67% 定期試験期間中に期末テストを行う.
2 平常点 In-class Points 33% コースパワーでの小レポート・小テスト,および講義中の演習などで総合的に評価する.
教科書/Textbooks
 著者名
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タイトル
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ISBNコメント
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1 三宅敏恒著 入門微分積分 培風館 1992.11 9784563002213 解析学IA, IB とも同じ教科書を用いる.(担当者によって異なるので注意すること.)
参考書/Reference books
 著者名
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ISBN価格
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1 三宅敏恒著 微分積分の演習 培風館 2017.4 9784563012151 1800円+税 蔵書情報 / Library information
2 杉浦光夫著 解析入門 I, II 東京大学出版会 1980.3 4130620053 2884円 内容は高度であるが,必要事項を網羅している. 蔵書情報 / Library information
3 黒田成俊著 微分積分 共立出版 2002.9 4320015533 3600円+税 蔵書情報 / Library information
4 西山享著 1変数の微積分 サイエンス社 1998.12 4781908942 1380円 蔵書情報 / Library information
5 西山享著 多変数の微積分と微分方程式 サイエンス社 1998.12 4781908950 1280円+税 項目の順番と内容が本講義とは若干異なるので注意すること. 蔵書情報 / Library information
メッセージ/Message
数学の理解には講義に加えて問題演習が不可欠なので「数学演習A, B」を合わせて履修することが必須である.
講義内・演習における演習問題は必要最低限である.理解できるまで,自分自身で多数の問題を繰り返して解くことが必要である.
その他/Others
第一回目の講義のみコースパワーを利用したオンライン(オンデマンド型)の講義を行う.
キーワード/Keywords
偏微分     全微分     多変数関数のグラフ     接平面の方程式     多変数の合成関数の微分公式     多変数関数のテイラー展開     多変数関数の極値判定     重積分     逐次積分     変数変換公式