講義内容詳細:生体センシング

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年度/Academic Year 2025
授業科目名/Course Title (Japanese) 生体センシング
英文科目名/Course Title (English) Biosensing
学期/Semester 後期前半 単位/Credits 1
教員名/Instructor (Japanese) 三井 敏之
英文氏名/Instructor (English) MITSUI Toshiyuki

講義概要/Course description
本講演では、DNAの塩基配列解析から断層画像診断装置(トモグラフィー)まで、生命科学や医療に関わるデバイスのセンシングメカニズムについて解説をします。まず導入として、私たち自身が感じる光(電磁波)と音、つまり視覚と聴覚について物理的に説明します。その後に、医療機器についてトピック形式で説明します。私たち生物特有の分子、細胞、組織と、医療機器が使用する電磁波や音波との相互作用に焦点を当てます。これらの相互作用は、皆さんの多くが学んだことのある電磁気学、量子力学、力学によって説明することができます。各機器における電磁波や音波の発生と検出のメカニズムを工学的な観点からも解説します。最後に、今後発展が期待される医療技術やバイオミメティクス技術についても報告します。




達成目標/Course objectives
身のまわりの物理現象から医療装置のメカニズムまで、それらを物理的に説明ができるようになること
学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)に基づき、当該科目を履修することで身につく能力 / Abilities to be acquired by completing the course in accordance with the faculty and graduate school diploma policy (graduation certification and degree conferral)
学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)/ Undergraduate and Graduate Diploma Policy (Graduation Certification and Degree Conferral)
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
力学、電磁気学、量子力学
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 第1回 光と視覚の物理学(初回オンディマンド)
身のまわりの電磁波から、視覚としてセンシングが可能な可視光について説明します。眼で観る”画面”の解像度、光量などのスペックについても考えます。
2
授業計画/Class 第2回 光と視覚の物理学
前回のつづきで、錯覚のメカニズムまで説明をします。視覚としてカラーが観えるメカニズムと、光の色による検出感度の違いなどを報告します。
3
授業計画/Class 第3回 音と聴覚について
音波の発生機構と、音波の物質による反射・吸収について物理的に説明します。
4
授業計画/Class 第4回 原子と電磁波の相互作用からCTの原理まで
電磁波の波長と透過性、そして、原子番号との関係などを説明します。
5
授業計画/Class 第5回 CTの装置について
1.x線の発生と検出機構
2.一次元的な検出データから断面図を得るプロセス
3.CTの歴史とスペックの向上
の順番に説明をします。
6
授業計画/Class 第6回 MRI
1.歳差運動
2.静止系と回転座標系
3.断面図を得るフーリエ変換について
の順番に説明をします。フーリエ変換はとても重要なツールです。
7
授業計画/Class 第7回 超音波スコープ、PET、SQUIDなど
1.センシングのメカニズム
2.センシングでわかること、解像度など
3.今後の発展について
8
授業計画/Class 第8回 光干渉断層撮影(OCT)
光の干渉による断層画像の取得方法について説明をします。フーリエ変換の技術が、この装置でも応用されていることを説明します。
 
事前学習/Preparation 光、音、医療機器に関するトピックを予定しています。視覚と聴覚という日常的な感覚について、事前に考えてみましょう。また、医療機器について、何が検出できるのか、ネット等で情報を調べておきましょう。
事後学習/Reviewing 講義では、既に学習した電磁気学、量子力学、固体物理学の式の導出過程は省略します。現象や相互作用を中心に説明するので、電磁気学や量子力学などで学んだ式の導出は復習をしておいてください。


授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 100% 毎回の講義時に簡単なテストと、リアクションペーパー(理解した、疑問に思ったこと)にを書いてもらい、その後、レポートにまとめてもらいます。
教科書/Textbooks
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Comments
1 プリントを配布する。
参考書/Reference books
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Comments
 
1 一般的な分子生物学、医療装置に関わる技術書
メッセージ/Message
みなさんが学んできた固体物理、電磁気、量子力学が医療の装置に役に立っていることを知ることができます。