講義内容詳細:科学・技術と社会

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年度/Academic Year 2024
授業科目名/Course Title (Japanese) 科学・技術と社会
英文科目名/Course Title (English) Science, Technology, and Society
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 中尾 悠里
英文氏名/Instructor (English) NAKAO Yuri

講義概要/Course description
・現代の科学技術がどのように成立し、どのように社会と相互作用しているかを科学史、科学哲学、技術哲学、科学コミュニケーションなどの見方から考える。
・受講者には、授業中の小レポートにて科学技術と社会の関係を受講者自身にとって身近な話題で論じてもらう。
達成目標/Course objectives
・科学・技術が社会の中に存在する意義について、歴史的観点、哲学的観点、科学的知識の伝達の観点などから自分なりの考えをまとめられるようになる。
・また、その意義を自分ごととして考え、科学者・技術者のあるべき姿とはどのようなものか、科学技術はどのように社会に伝えられるべきかなどについて、自分なりの考えをまとめられるようになる。
学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)に基づき、当該科目を履修することで身につく能力 / Abilities to be acquired by completing the course in accordance with the faculty and graduate school diploma policy (graduation certification and degree conferral)
学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)/ Undergraduate and Graduate Diploma Policy (Graduation Certification and Degree Conferral)
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
特になし
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class イントロ:科学・技術と社会の接点(ガイダンス)「オンライン授業(オンデマンド型)」
事前学習/Preparation 特に必要なし。
事後学習/Reviewing 授業で学んだり考えたりしたことについて考えを深める。
2
授業計画/Class 科学の歴史1:古代の科学、科学革命
事前学習/Preparation 科学革命と「知は力なり」という言葉について簡単に調べておく。
事後学習/Reviewing 授業で学んだり考えたりしたことについて考えを深める。
3
授業計画/Class 科学の歴史2:科学の制度化、大学・学会の誕生
事前学習/Preparation 自分が所属している、または興味がある学会について、いつごろ、どのような経緯でできたのかを調べておく。
事後学習/Reviewing 授業で学んだり考えたりしたことについて考えを深める。
4
授業計画/Class 科学哲学:論理実証主義、反証主義、パラダイム論、研究プログラム
事前学習/Preparation ・自分が研究している、または研究しようとしている分野で現在主流になっている考え方や仮説を調べておく。
・科学的な知識と非科学的な知識はどのように分けられるかを考えておく。
事後学習/Reviewing 授業で学んだり考えたりしたことについて考えを深める。
5
授業計画/Class 科学社会学、サイエンスウォーズ、科学人類学
事前学習/Preparation 自分が研究している、または研究しようとしている分野と、哲学や社会科学、文学といった人文社会科学の分野との関係を考えておく。
事後学習/Reviewing 授業で学んだり考えたりしたことについて考えを深める。
6
授業計画/Class 科学技術コミュニケーション1:欠如モデルへの批判、科学的知識を受けとる・伝えることについてのモデル(前半)
事前学習/Preparation 自分が研究している、または研究しようとしている分野で一般的によく知られていない、または誤解されていると感じるものがあるかを検討しておく。
事後学習/Reviewing 授業で学んだり考えたりしたことについて考えを深める。
7
授業計画/Class 科学技術コミュニケーション2:欠如モデルへの批判、科学的知識を受けとる・伝えることについてのモデル(後半)
事前学習/Preparation 前回の授業に基づいて、どのように自身の分野のことを一般市民に伝えるべきかを考えておく。
事後学習/Reviewing 授業で学んだり考えたりしたことについて考えを深める。
8
授業計画/Class 科学者と専門知、科学者の責任
事前学習/Preparation 自分が大学院での研究を通して持つべきだと思う専門性について考えておく。
事後学習/Reviewing 授業で学んだり考えたりしたことについて考えを深める。
9
授業計画/Class 科学と技術の関係、技術と社会1:技術決定論、人工物の政治
事前学習/Preparation 自分の研究で使う、または日常的に使うような身近なテクノロジーについて、科学的な知見に基づいて作られている部分はどのような部分か、テクノロジーがユーザーに与えている影響はどのようなものかを考えておく。
事後学習/Reviewing 授業で学んだり考えたりしたことについて考えを深める。
10
授業計画/Class 技術と社会2:技術の社会的構成、アクターネットワーク理論、システムズアプローチ
事前学習/Preparation 自分の研究で使う、または日常的に使うような身近なテクノロジーに対して、ユーザーや一般の人々からどのような肯定的・否定的な意見がありそうかを考えておく。
事後学習/Reviewing 授業で学んだり考えたりしたことについて考えを深める。
11
授業計画/Class 技術哲学:人と技術の違い、人と技術の向き合い方
事前学習/Preparation 自分の研究で使う、または日常的に使うような身近なテクノロジーに対して自分がどのような印象を持っているか考えておく。
事後学習/Reviewing 授業で学んだり考えたりしたことについて考えを深める。
12
授業計画/Class 科学技術ガバナンス1:テクノロジーアセスメント
事前学習/Preparation ・テクノロジーアセスメントという言葉について簡単に調べておく。
・どのような人々が社会の中で自分の研究分野に関係していそうかを考えておく。
事後学習/Reviewing 授業で学んだり考えたりしたことについて考えを深める。
13
授業計画/Class 科学技術ガバナンス2:責任ある研究・イノベーション
事前学習/Preparation 倫理的、法的、社会的問題(Ethical, Legal, andSocietal Issues, ELSI)責任ある研究・イノベーション(ResponsibleResearch and Innovation, RRI)という言葉について、簡単に調べておく。
事後学習/Reviewing 授業で学んだり考えたりしたことについて考えを深める。
14
授業計画/Class 新しく生まれる科学技術についての倫理:人工知能の倫理を題材に
事前学習/Preparation 自分が研究している、または研究しようとしている分野で今起こっている、今後起こりそうな倫理的な問題について検討しておく。
事後学習/Reviewing 授業で学んだり考えたりしたことについて考えを深める。
15
授業計画/Class 企業の中での研究開発
事前学習/Preparation これまでの授業の内容について復習しておく。
事後学習/Reviewing 授業で学んだり考えたりしたことについて考えを深める。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method ハイブリッド型ブレンド形式 / hybrid blend
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 レポート Report 60% 期末レポート。
2 平常点 In-class Points 40% 毎回の授業中に実施する小レポート。
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法/Feedback methods for assignments (exams, reports, etc.)
全てのレポートに対して、コースパワー上で採点・コメントすることによりフィードバックする。
教科書/Textbooks
 著者名
Author
1 特に指定しない
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
ISBN価格
Price
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1 ここに挙げる参考書は購入は必要ありません。適宜授業の中で紹介します。また、ここに記載した書籍以外にも参考にする文献等は授業中に紹介します。
2 古川安 科学の社会史 筑摩書房 2018.10 9784480098832 1300円+税 第2,3回目の授業に関連。 蔵書情報 / Library information
3 河村 豊, 小長谷 大介, 山崎 文徳 未来を考えるための科学史・技術史入門 北樹出版 2023 2750円 第2、3回目の授業に関連。
4 野家啓一 科学哲学への招待 筑摩書房 2015.3 9784480095756 1100円+税 第2, 3, 4回の授業に関連 蔵書情報 / Library information
5 A.F.チャルマーズ著 ; 高田紀代志, 佐野正博訳 科学論の展開 恒星社厚生閣 2013.4 9784769913009 2700円+税 第4回の授業に関連。 蔵書情報 / Library information
6 アラン・ソーカル, ジャン・ブリクモン [著] ; 田崎晴明, 大野克嗣, 堀茂樹訳 「知」の欺瞞 岩波書店 2012.2 9784006002619 1480円+税 第5回の授業に関連。 蔵書情報 / Library information
7 ブルーノ・ラトゥール著 ; 川崎勝, 高田紀代志訳 科学が作られているとき 産業図書 1999.3 4782801211 4300円+税 第5, 6, 7回授業などに関連。
蔵書情報 / Library information
8 藤垣裕子, 廣野喜幸編 科学コミュニケーション論 東京大学出版会 2008.10 9784130032070 3000円+税 第6、7回などの授業に関連。 蔵書情報 / Library information
9 廣野 喜幸 (編集), 藤垣 裕子(編集) 科学コミュニケーション論の展開 東京大学出版会 2023 3960円 第6,7回授業などに関連。
10 藤垣裕子 科学者の社会的責任 岩波書店 2018.11 9784000296793 1300円+税 第8回授業に関連。 蔵書情報 / Library information
11 藤垣裕子 専門知と公共性 東京大学出版会 2003.5 4130603027 3400円 第8回授業に関連。 蔵書情報 / Library information
12 金森修, 中島秀人編著 科学論の現在 勁草書房 2002.4 4326101393 3675円 第4、9回授業などに関連。 蔵書情報 / Library information
13 村田純一 知覚と生活世界 東京大学出版会 1995.9 4130100750 4500円+税 第9回授業に関連。 蔵書情報 / Library information
14 村田純一 技術の哲学 講談社 2023.9 9784065332320 1310円+税 第9回授業などに関連。 蔵書情報 / Library information
15 ラングドン・ウィナー [著] ; 吉岡斉, 若松征男訳 鯨と原子炉 紀伊國屋書店 2000.2 4314008172 2600円+税 第9回授業に関連。 蔵書情報 / Library information
16 ピーター=ポール・フェルベーク [著] ; 鈴木俊洋訳 技術の道徳化 法政大学出版局 2015.10 9784588010330 3200円+税 第11回授業に関連。 蔵書情報 / Library information
17 中尾悠里 AIと人間のジレンマ 千倉書房 2022.7 9784805112649 2800円+税 第11回授業に関連。 蔵書情報 / Library information
18 藤垣裕子責任編集 ; 小林傳司 [ほか] 協力編集 科学技術と社会 東京大学出版会 2020.7 9784130643122 3500円+税 第12回授業に関連。 蔵書情報 / Library information
19 標葉隆馬 責任ある科学技術ガバナンス概論 ナカニシヤ出版 2020.6 9784779514845 3200円+税 第13回授業に関連。 蔵書情報 / Library information
20 稲葉振一郎 社会倫理学講義 有斐閣 2021.3 2090円 第14回授業に関連。
授業関連情報/Class-related information
 件名/Title内容/Contents備考/Memo
1 講師サイト https://researchmap.jp/yurinakao
2 講師メールアドレス nakao.yuri # fujitsu.com (#を@に変更)
メッセージ/Message
オンライン・対面授業の切り替えは新型コロナウイルスの感染拡大状況等を踏まえて変更する可能性があります。「事前学習内容」は授業中の小レポートのための事前学習です。
その他/Others
実務経験がどのように授業に活かされているか:最後の授業「企業の中での研究開発」では、教員の実務経験に基づく体験談を踏まえ、本講義で学んだことがどのように活かせるかを紹介する予定です。
キーワード/Keywords
実務経験     科学史     科学哲学     技術哲学     科学コミュニケーション     科学技術社会論     科学論