講義内容詳細:現代物理/生活と先端テクノロジー

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年度/Academic Year 2022
授業科目名/Course Title (Japanese) 現代物理/生活と先端テクノロジー
英文科目名/Course Title (English) Modern Physics/Life Sciences and Advanced Technologies
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 三井 敏之
英文氏名/Instructor (English) MITSUI Toshiyuki

講義概要/Course description
社会人として必要な科学的センスを身に着けることができるように、トピックスを選び、それらを物理学的に説明します。トピックスの例は、①視覚にかかわる光と色について、②聴覚にかかわる音と典型的な楽器が音を出すメカニズム、③相対性理論では、概念から応用としてのGPS、原子力発電まで、④エネルギーでは、再生可能エネルギーによる発電まで、⑤量子力学では、哲学的とも思える概念から応用まで、量子力学の延長として発明された半導体と、そのプロダクトであるPCの発展など中心的に説明します。それぞれのトピックスに関連する最先端科学技術についても報告をします。そして、未来生活にそれらの技術が与える影響を一緒に考えましょう。

達成目標/Course objectives
例えばLEDの消費電力が低い要因を物理的に学びます。具体的にはLEDと白熱電球では、放出する電磁波の波長の分布と、それらの量(スペクトル)が異なります。この講義の影響を受けて自宅の電球をLEDに交換して、LEDライト下ではPC眼鏡を装着してくれたらうれしいです。他にも、改めて観ること、聴くことについて敏感になったり、最先端の技術であるカーナビやPCの動向に興味をもったり、また、原子力発電の維持について自分なりの意見をもつようになる、これらのこともこの講義の目標です。 


履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
特になし。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 科学とは何か(初回オンディマンド)
科学的な考えがなぜ必要かを考えます。そして、この講義のイントロとして、講義で学ぶトピックスについて説明します。
2
授業計画/Class 電磁波と光について
この第二回と三回は、身のまわりの現象を科学的に考えることで、みなさん自身に何かの気づきを与える、これが目的です。まずは電磁波について、その物理的性質から実用例まで、具体的には危険な放射線から携帯で利用している電波までを説明します。そして、光が電磁波の一部であること、電磁波の唯一のパラメータである波長のわずかな違いが光の色を変えるなどに驚いてもらいます。
3
授業計画/Class 視覚について
古くから人々は”色素”を使って、生活用品から芸術としての絵画まで、文字通り生活をカラフルにしてきました。色素とは、電磁波の波長により反射・吸収の割合を変えることにより、色合いを表現します。青色や青色発光ダイオードのつくるのが他の色より難しいこと、青色光をカットする必要性等が理解してくれたらうれしいです。そして、改めて絵画をみて楽しみ方の幅が広がったら、この回の講義は成功です。
4
授業計画/Class 錯覚について
錯覚の多くは科学的に解明されていません。よって、錯覚のデモを中心に行い、”見え方の不思議”を物理学的に推察をしてもらいます。錯覚の背後に生命活動を維持するために優先的に必要な何かがみえてきたら、この回の講義は成功です。
5
授業計画/Class
音の発生を、楽器を例として説明します。そして、音のセンシングである聴覚までを説明します。まずは楽譜の音符と音波の振動数の関係から、楽器による音色の違い、絶対音階とは、この辺りを説明しまが、この聴覚に関しても科学的に説明できることは限られているので、みなさんと一緒に科学的な推察をしてみたいと思います。例えば実際にハイレゾを聴く価値は、その価格に対応しているか、なぜ音だけの高級オーディオのほうが、テレビより桁違いに高いか、などです。
6
授業計画/Class アインシュタインの相対性理論
時空の歪みから双子のパラドックス、応用として原子力発電、カーナビ 一について学びます。例年、この回の前半部分は不評です。「動いている電車の窓から、ホームに静止している人の時計を観る」といった説明をするのですが、状況を理解するのが難しいとコメントをもらいます。
7
授業計画/Class 相対性理論の副産物
原子力について学びます。最初に原子力が利用された不幸な事件から、原子力発電の仕組み、そして放射性物質まで幅広く学びます。原子力発電については、特にウランとプルトニウムについて、ウラン濃縮、廃棄物の今後について説明します。チェルノブイリの事故についてもコメントをします。
8
授業計画/Class 様々なエネルギー
エネルギーの保存と、それを利用した発電について学びます。特に原子力発電と他の発電について、発電効率などを定量的に学びます。原子力のメリット、デメリットを知ったうえで、最終的に原子力について意見を言えるようになることが、この回の目的です。
9
授業計画/Class 地球の温暖化
二酸化炭素の濃度上昇が、地球全体の平均気温を上げるメカニズムを説明します。産業革命以前と現在の二酸化炭素の濃度、なぜ二酸化炭素が中心的な温室効果ガスなのか、太陽・地球による輻射の関係などを説明します。個人的には、この回がなくなる日がきたらうれしいです。つまり、大学前の教育のカリキュラムにおいて、地球の温暖化の科学的説明をすべてのみなさんに。
10
授業計画/Class 再生可能エネルギー
地球の温暖化の後に改めて再生可能エネルギーについて説明します。風力発電の設置場所、ブレードの大きさ、風速と発電量の関係などを定量的に学びます。太陽光発電はパネルの面積と発電量などを学びます。簡単に見積もった発電設置の費用についても紹介をします。
11
授業計画/Class 断熱
この回では、特に家のエコについて学びます。家で消費電力を減らすために使用を控える電化製品、そしてそれを成し遂げるための工夫や最低限の投資などを提案します。2050年までと言わず、今日から今年から皆さんができることがみえてきたらうれしいです。また、これを機会に生活習慣の見直しもできたら。
12
授業計画/Class 量子力学の哲学
量子力学の現象から哲学的な解釈までを、可能な限り説明します。量子力学は不思議で、その概念を理解することは困難です。みなさんが、「量子力学はよくわからない」と思えたら、この講義は成功したことになります。私も量子力学の概念を納得して理解したことはありません。しかし、量子力学の応用例は豊富にあります。例えば半導体の原理は量子力学から導かれました。その半導体によりデジタル素子がつくられ、現在のPCや携帯に使用されています。
13
授業計画/Class 量子力学の応用とPCの歴史
半導体から発明されたトランジスタと、その応用としてCPUとPCについて説明します。科学を説明するのではなくて、トランジスタの並べ方、つくりかた、そして特許までを紹介します。80年代は日の丸半導体と言われていましたが、PC、そして、現在のスマートフォン主流は日本製ではありません。そのあたりの歴史について個人的な見解も含めて説明します。半導体ほど我々の生活を速いタイムスケールで変えたモノはないと思います。
14
授業計画/Class AIやバイオミメティクスについて
これらにかかわる最先端の技術について説明をします。また、この回が行われる日までに発見、発明されたhotな最先端技術について調べて報告します。
15
授業計画/Class 総括
みなさんが、この講義で学んだこと、考えたことを総括します。
 
事前学習/Preparation 特にありませんが、トピックスにかかわる知識を事前に調べておくことをすすめます。
事後学習/Reviewing 毎回、授業で理解したこと、疑問に思ったことをリアクションペーパーとして提出してもらいます。理解したことに関して、私のほうで書いてほしい内容を講義内で限定する回もあります。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
補足事項/Supplementary notes資料配布、レポート提出では、Course Powerの使用も検討中です。
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 100% 評価は毎回のリアクションペーパー(70%)、授業内プレゼン(30%)で評価する予定ですが、受講者数が60人程度なら、時間的に厳しいので、リアクションペーパー(100%)にします。
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法/Feedback methods for assignments (exams, reports, etc.)
みなさんからのリアクションペーパーにコメントを書いて返します。経験的に受講者数が60人近い場合は、毎回は返せず、8,9回くらいです。
教科書/Textbooks
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1 特定の教科書は使用しません。資料はコースパワーにuploadする予定です。
参考書/Reference books
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1 ‎ Walter Lewin これが物理学だ! マサチューセッツ工科大学 購入する必要はありません。
2 Muller,Richard A. エネルギー問題入門―カリフォルニア大学バークレー校特別講義 Mullerの他の本も参考になりますが購入する必要はありません。
メッセージ/Message
この講義は、受講生が今までに物理を学んだことがなくても理解できるように準備をします。よって、複雑な数式はもちいませんが、相対論、エネルギー効率、断熱によるエコあたりでは、数式(比例、反比例)で説明をします。