講義概要/Course description
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日本開国期の諸問題Ⅰ: テーマ「「鎖国」から開国へ」 グローバル化が進む今日、西洋諸国と新たな関係構築がなされた日本の開国過程を学ぶことは意義あるものといえます。 そこでこの授業では、「世界史」のなかに日本の開国過程を位置づけつつ、そもそも「鎖国」とはいかなるものであったのかということから説き起こし、西洋諸国と〝再会〟を果たし、条約の締結により西洋国際社会へと参加することとなった幕末日本について考察することで、開国の意義を追究します。
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達成目標/Course objectives
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開国の歴史を通して、日本の国際化、近代化に関心を持ってもらうとともに、危機的状況下におけるリーダーの条件とはいかなるものか、さらには「正解のない問題」にいかに対処するかなど、複眼的な思考をもとに課題を解決する力を育むことを授業の到達目標とします。
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履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
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必須ではありませんが、青山スタンダードにおける、外交史や国際法に関連する科目を受講しておくと理解が深まるでしょう。 前年度以前に本講義を履修し、単位を修得した学生の履修は認めません。
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授業計画/Lecture plan
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1
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授業計画/Class |
開講にあたって:なぜ日本の開国について学ぶのか? (講義の目的、内容、進め方について) 【オンライン授業(オンデマンド型)で実施】 |
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2
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授業計画/Class |
1.「鎖国」とは何か (1) 田沼意次の対外政策:ロシアの接近と「鎖国」下の蝦夷地開発論 |
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3
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授業計画/Class |
1.「鎖国」とは何か (2) 松平定信の対外政策:ロシアの接近と「鎖国」祖法の成立 |
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4
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授業計画/Class |
1.「鎖国」とは何か (3) 幕末の世界認識:箕作省吾『坤輿図識』を中心に |
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5
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授業計画/Class |
1.「鎖国」とは何か (4) 攘夷論:会沢正志斎『新論』他 |
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6
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授業計画/Class |
1.「鎖国」とは何か (5) 海防論:大槻磐渓『献芹微衷』他 |
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7
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授業計画/Class |
2.ペリー来航 (1) アヘン戦争と海外情報:『オランダ別段風説書』他 |
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8
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授業計画/Class |
2.ペリー来航 (2) 阿部政権の特質:危機的状況下におけるリーダーの条件 |
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9
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授業計画/Class |
2.ペリー来航 (3) 「和親」条約の意義:「鎖国」は終わったのか? |
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10
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授業計画/Class |
2.ペリー来航 (4)ペリーを描き伝えた人々:大槻磐渓編『金海奇観』を中心に |
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11
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授業計画/Class |
3.通商条約の成立とその意義 (1)イギリス香港総督のアジア外交 |
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授業計画/Class |
3.通商条約の成立とその意義 (2)外交官としてのタウンセンド・ハリス |
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13
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授業計画/Class |
3.通商条約の成立とその意義 (3)幕府の通商態勢への転換 |
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14
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授業計画/Class |
3.通商条約の成立とその意義 (4)通商条約の不平等性 |
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事前学習/Preparation |
原則として、各授業前にCourse Powerにおいては配布したレジュメならびに史料を必ず熟読したうえで、授業に臨んでください。授業前にCourse Powerの質問ツールによる質問を受け付けます。 また、事前に課題を提出してもらう場合もあります。 詳細については、Course Powerで指示します。 |
事後学習/Reviewing |
原則として、毎回の授業内容についてまとめをしてもらいます。 詳細については、授業中に指示します。 |
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授業方法/Method of instruction
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区分/Type of Class |
対面授業 / Classes in-person
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実施形態/Class Method |
通常型 / regular
補足事項/Supplementary notes受講生の理解状況等に応じて、授業計画がずれる場合があります。
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活用される授業方法/Teaching methods used |
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成績評価方法/Evaluation
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1 |
平常点 In-class Points
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50%
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Course Powerが集計する「積極性」、「継続性」、「計画性」を指標とする合計ポイント(各指標10pt。合計30pt。)をもとにします。 ・「積極性」:活発性やより多く行動できているかを計ります。 ・「継続性」:繰り返し一定の行動ができているかを計ります。 ・「計画性」:早くから行動しているかを計ります。 詳細は、第1回授業時に説明します。
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2 |
その他 Others
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50%
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毎回の授業で、コメントをCourse Powerの「レポート」、「テスト」、「アンケート」機能により提出してもらいます。評価基準は、その際説明します。 ※従来コメント・シートで提出していたものを、Course Powerの各種機能を使うようにするものです。
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課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法/Feedback methods for assignments (exams, reports, etc.)
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Course Powerを通じて提出してもらった課題、アンケート、質問などについては、全体に関わるもの次回授業時に総括的な講評、コメント、回答をおこないます。個別対応については、適宜Course Powerにより行います。
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教科書/Textbooks
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参考書/Reference books
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| コメント Comments | |
1 |
この授業に関わる文献、史料等については、授業中に適宜紹介します。
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メッセージ/Message
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まだ「日常」を取り戻したとは言えない状況かもしれません。しかし、せっかく大学にはいることができたのですから、短い大学生生活を意義あるものにしなければ、大学に入った意味がありません。 この授業は、大学の方針通り原則として、生身の人間同士のコミュニケーションである対面授業で実施します。すでにオンライン授業を受けてきて理解していると思いますが、せっかく対面で授業を行うわけですから、オンライン授業ではやりづらかった、活発な議論がおこなわれることを期待します。一方的に、私の話を聞くだけならば、時間をかけて大学に集まる必要はないはずです。対面授業だからこそできることをやるためには、皆さんひとりひとりの主体的な行動が必須です。 みなさんとともに、開国について「思考」していきたいと思います。 なお、この授業は日本史専攻の学生を主たる対象としていますが、それ以外の専門分野を専攻する学生の受講も歓迎します。高校までに学んだ、19世紀の日本史と世界史の知識があれば十分です。 授業で扱うのは、開国史を含む明治維新史です。明治維新は、開国したことにより、政治体制のみならず、法制度、経済、教育などすべての面にわたった大変革です。それをふまえた上で日本開国史に関わる問題について、さまざまな視点、立場から考察していきます。各自の専攻分野から考えてもらいたいと思います。 知識としての歴史を覚えるのではなく、史料にもとづいて歴史を考える楽しさを伝えたいと思います。 今しかできないことを、できる範囲で、みんなと一緒にしっかりやっていきましょう。
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その他/Others
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Course Powerを活用しますので、ひととおりの操作ができるようにしておくこと。 〇 原則として、出席登録、授業中のクイズへの回答などの回収は、Course Powerにより行います。ポータブル・ノートPCやタブレット端末を所有している場合は、持参してください。 ※ 端末を用意できない場合は、従来通り紙により行います。 〇 レジュメ、史資料等はすべてCourse Powerからダウンロードしてもらいます。 〇 連絡事項もCourse Powerで行いますので、定期的に確認するようにし、重要情報の見逃しがないようにしてください。 〇 授業時以外での教員への連絡、質問などもCourse Powerによりおこなってください。また、急ぎの場合は、上記「授業関連情報」記載のAOYAMA-mailのアドレス宛に連絡してもらって構いません。ただし、常時確認できる状況ではありませんので、瞬時に対応することはできません。
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キーワード/Keywords
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開国
鎖国
明治維新
近代化
国際社会
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