講義内容詳細:グループダイナミクス論/社会・人間特別講義B

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年度/Academic Year 2023
授業科目名/Course Title (Japanese) グループダイナミクス論/社会・人間特別講義B
英文科目名/Course Title (English) Theory of Group Dynamics/Special Lecture B on Human and Society
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 清成 透子
英文氏名/Instructor (English) KIYONARI Toko

講義概要/Course description
人間は1人では生きてはいけない。集団や組織に所属し、その中でうまくたち回っていく必要がある。本講義では、集団状況で人々がどのように振る舞うのかについて、社会学や社会心理学などを中心にどのような議論がなされているのかを学ぶと同時に、我々人間が作り出す社会現象を如何にして分析するかという「考え方」を学ぶ。そのため、実際の組織や集団といった実践的な知見や応用研究に関しては言及しない。より抽象的なレベルにおける分析の考え方を学ぶことを通して、実践的なテーマへと応用できる基礎力を培うことを目指す。その際、心理学のみに偏った講義は行わず、社会学、行動経済学など社会科学により焦点をあてて進行する予定である。また、本講義中に心理学実験体験演習への参加や質問紙への回答を求めることがある。これらは人間心理を総合的に理解するための実習なので、本講義を履修した場合には特段の理由がない限り、実習にも参加することを要件とする。
達成目標/Course objectives
集団や組織の中で人々が直面する様々な問題を解決するために、社会学、社会心理学や集団意思決定論といった領域でどのようなアプローチがなされてきたかを学ぶ。最終的には、組織や集団といったマクロな過程と個々人の行動といったマイクロな過程との間で相互に規定しあうダイナミズムを理解する。
学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)に基づき、当該科目を履修することで身につく能力 / Abilities to be acquired by completing the course in accordance with the faculty and graduate school diploma policy (graduation certification and degree conferral)
学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)/ Undergraduate and Graduate Diploma Policy (Graduation Certification and Degree Conferral)
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
・授業の中で、人間や集団の理解に寄与するアンケート調査や実験等への協力を依頼することがある。これに協力することで、成績に加点を行うことがある。履修希望者はそのことを了承した上で履修すること。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class ガイダンス【オンライン(オンデマンド型)】
・この授業を通して、何を学んで欲しいか、授業全体のパースペクティブを概観する。
・授業評価について


2
授業計画/Class 科学的思考法を学ぶ
社会の中で生じる様々な問題を考えるにあたって、社会現象を分析するための考え方を身につけることが重要である。科学的思考法とは何かについて学ぶ。
3
授業計画/Class マイクロ・マクロ相互規定関係(1)
心理学的予言の自己成就ついて学ぶ。
4
授業計画/Class マイクロ・マクロ相互規定関係(2)
社会学的予言の自己成就ついて学ぶ。
5
授業計画/Class グループ・ダイナミズム実験実習(1)
集団の中で、マイクロとマクロがどのように影響し合うかを体験するための実験実習を行う。
6
授業計画/Class 社会的ジレンマ
環境問題など、個々人の利益と集団全体の利益が異なる社会問題について学び、如何にして解決を図ることが可能か考える。
7
授業計画/Class 社会的意思決定
「きめ方」の論理を学ぶ。自由な意思を持った個人が集まり、何らかの共同の意思決定をするとき、各個人の意思を如何にして集約すべきか、如何にして社会的合意に達すべきか、社会的意思決定に関する問題を投票や多数決という「きめ方」を通して学ぶ。
8
授業計画/Class 社会的ネットワーク(1)
個々の人間の心だけを考えても理解できないことがある。人々がどのような社会関係を構築しているのか、どういった社会的ネットワークの中にいるのかを理解することを通して、人々の行動や思考に及ぼす影響を考える。
9
授業計画/Class 社会的ネットワーク(2)
引き続き、社会的ネットワーク理論と分析について学ぶ。
10
授業計画/Class 社会的ネットワーク(3)
引き続き、社会的ネットワーク理論と分析について学ぶのと同時に、ネットワーク分析の対象となる現象について、身近な事例より考える。
11
授業計画/Class グループ・ダイナミズム実験実習(2)
3人よれば文殊の知恵が実際に生まれるかどうか体験するために、集団合議実験実習を行う。
12
授業計画/Class 集団意思決定(1)
一人ではうまく解決できない問題でも、集団で取り組めば解決できるのかどうか、集団のパフォーマンスに焦点を当てながら、集団意思決定について考えていく。
13
授業計画/Class 集団意思決定(2)
引き続き集団意思決定について、創発特性が何故生じにくいのかを個人のインプット(投入・努力量)に着目しながら考えていく。
14
授業計画/Class 集団意思決定(3)
引き続き集団意思決定について、社会的リアリティと社会的影響の観点から考える。
15
授業計画/Class まとめ
これまで授業でとりあげたトピックについて、簡単にレビューする。さらに、この授業で最も学んで欲しかった点について、現実の社会問題と絡めて議論する。
 
事前学習/Preparation 社会の中で不思議だと感じる現象について、日頃から注意を払い、何故そういった社会現象が生じるのかについて考えるようにする。新聞を毎日読む。
事後学習/Reviewing 授業で学んだことを日常生活に活かすことができるか、自分自身や周囲の人々の態度や行動に着目して考えるようにする。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
補足事項/Supplementary notes
・本講義は対面授業(通常型)で実施する。
・授業中に、小テスト、小レポートなどを実施し、それらを総合的に評価し、成績をつける。
・毎週必ずCoursePowerを確認すること。授業方法の変更等があれば、CoursePower上に別途指示する。

活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 100% 定期試験は行わない。授業中に実施する課題、小テスト、小レポートの提出、アンケート調査への協力、実験実習体験への参加を総合的に評価する。
メッセージ/Message
・授業に関する質問は随時受け付けます。
・教員への連絡手段については、ガイダンス時にお知らせします。
・CoursePowerに情報を掲載しますので、適宜、確認してください。