講義内容詳細:日本文学演習Ⅰ[1]

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年度/Academic Year 2024
授業科目名/Course Title (Japanese) 日本文学演習Ⅰ[1]
英文科目名/Course Title (English) Seminar in Japanese Literature Ⅰ [1]
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 小松 靖彦
英文氏名/Instructor (English) KOMATSU Yasuhiko

講義概要/Course description
詩を読む/ウクライナ・スロベニアとの〈文学交流〉(基礎編)

 この演習では、詩(古典詩歌・近代詩)を読むための基礎的トレーニングを行います。古典(『萬葉集』)と近代(戦争の時代と関わる詩)、ことばと文字の間を往還しながら、〈日本文学〉についての理解を深めます。
 この演習では、これまで、Ⅰ書物(書物としての姿)、Ⅱ萬葉集(日本詩の出発点)、Ⅲ文学交流(海外の文学との比較研究。また、戦争という視点)という3つの視点を重視しています。
 具体的には、以下のように授業を進めます。
⑴〈詩の分析法〉を用いて戦争の時代と関わる近代詩を読む【戦争という危機的状況の中での〈ことば〉を考える】
⑵〈古典詩歌の分析法〉を用いて『萬葉集』の長歌(『萬葉集』の特徴を示す詩形)を読む【初源の詩の〈ことば〉の可能性を考える】
⑶  文字の視覚的印象や配置を工夫した造形的・視覚的な詩(古典〈散らし書き〉・近代)を読む【文字の造形性、美術・音楽としての詩を考える】
この基礎的トレーニングの中で、自分自身の研究テーマの発見をめざす。
*受講者は、⑴~⑶のトピックどれか一つについて、1回研究発表を行います(登録時点で、⑴~⑶の全てに関心を持っていなくともよい)。

 また、この演習では、青山学院大学の協定校である、ウクライナのタラス・シェフチェンコ記念キーウ国立大学、スロベニアの国立リュブリャーナ大学で日本語・日本文学を学ぶ学生との〈文学交流〉も行います。互いの文学の紹介、協働しての作品の読解、共通するテーマの共同研究などを行います。
*4月、5月の各月に、キーウ国立大学、国立リュブリャーナ大学の学生とそれぞれに(つまり1対1で)1回程度、オンラインによる協働授業行います。時差があるので、このオンライン授業は、月曜日5限、または、日曜日に行うことになります。そのつもりで参加してください。
*両大学の学生とも、日本語を学び始めてまもない人も多いので、プレゼンテーションやディスカッションは英語を使います。
達成目標/Course objectives
1.詩の読み方の基礎を身に付ける。
2.古典詩歌と近代詩の両方についての読解力・分析力を高める。
3.〈日本文学〉とは何かを考える力を身に付ける。
4.〈文学交流〉によって相互理解を深められる力を身に付ける。
学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)に基づき、当該科目を履修することで身につく能力 / Abilities to be acquired by completing the course in accordance with the faculty and graduate school diploma policy (graduation certification and degree conferral)
学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)/ Undergraduate and Graduate Diploma Policy (Graduation Certification and Degree Conferral)
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
ウクライナ・スロベニアの学生と交流するために、英語の会話力が必須です。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class イントロダクション【オンライン授業(オンデマンド型)での実施】
2
授業計画/Class 〈詩の分析法〉の解説と前期授業計画の立案
3
授業計画/Class ウクライナの文学、スロベニアの文学について  *時間外にオンラインでウクライナ・スロベニアの学生と互いに自己紹介も行う
4
授業計画/Class ⑴ 戦争の時代と関わる近代詩を読む(1)【受講者による発表①】
5
授業計画/Class ⑴ 戦争の時代と関わる近代詩を読む(2)【受講者による発表②】
6
授業計画/Class ⑴ 戦争の時代と関わる近代詩を読む(3)【受講者による発表③】
7
授業計画/Class 〈古典詩歌の分析法〉の解説 *時間外にオンラインでスロベニア・ウクライナの学生と互いに文学紹介も行う
8
授業計画/Class ⑴ 戦争の時代と関わる近代詩を読む(4)【受講者による発表④】
9
授業計画/Class ⑵ 『萬葉集』の長歌を読む(1)【受講者による発表⑤】
10
授業計画/Class ⑵ 『萬葉集』の長歌を読む(2)【受講者による発表⑥】
11
授業計画/Class ⑵ 『萬葉集』の長歌を読む(3)【受講者による発表⑦】
12
授業計画/Class 〈造形的な詩の分析法〉の解説
13
授業計画/Class ⑵ 『萬葉集』の長歌を読む(4)【受講者による発表⑧】
14
授業計画/Class ⑶ 造形的な文字の詩を読む(1)近代詩【受講者による発表⑩】
15
授業計画/Class ⑶ 造形的な文字の詩を読む(2)近代詩【受講者による発表⑪】
 
事前学習/Preparation 【講義の回】
・資料教材を読み、興味を覚えた点と疑問点をノートしておく。
・資料教材に示された詩を読み、気づいた点をノートしておく。
【受講者による発表の回】
・授業で扱う詩について、〈詩の分析法〉〈古典詩歌の分析法〉〈造形的な文字の詩分析法〉を用いて、自分なりに読解をしておく。
・予め発表資料を読み、興味を覚えた点と疑問点を明確にしておく。
事後学習/Reviewing 【講義の回】
・出された課題の回答をコースパワーに入力する。
・講義を聞いて、さらに調べたいと思った点を自分で調べる。
【受講者による発表の回】
・発表に対するコメント(感想・質問・アドバイス)をコースパワーに入力する。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method ハイブリッド型ハイフレックス形式 / hybrid high flex
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 30% 授業への積極的参加。事前学習・事後学習。他の受講生の発表の時も、自分なりに調査・研究を進める。
2 レポート Report 30% 授業の課題への回答によって評価する。
3 試験 Exam 40% 学期末に、研究発表中の、自分自身の考察をさらに深めたレポートを提出する。自分自身の研究テーマが十分に深められているかを評価の基準とする。
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法/Feedback methods for assignments (exams, reports, etc.)
毎回の課題回答からピックアップしてまとめ、TAのアドバイス、担当教員のコメントを記した資料教材をコースパワーにアップする。
教科書/Textbooks
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ISBN価格
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1 青山学院大学文学部日本文学科編 文学交流入門 武蔵野書院 2023 9784838606597 1500(本体) 必ず購入してください。
2 小川靖彦 万葉集 隠された歴史のメッセージ(角川選書) KADOKAWA 2010 9784047034709 1600(本体) 電子版でも可。アマゾンに中古本あり。
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
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出版社
Publisher
出版年
Published year
ISBN価格
Price
 
1 小松靖彦著 戦争下の文学者たち―『萬葉集』と生きた歌人・詩人・小説家 花鳥社 2021.11 9784909832467 3200円+税 蔵書情報 / Library information
2 小海永二編 現代詩(鑑賞 日本現代文学 第31巻) 角川書店 1982.5 4045808310 2300円 蔵書情報 / Library information
メッセージ/Message
 この演習では、古典と近代を往還します。古典詩歌を学ぶことで近代詩の見方も深まります。また、近代詩を知ることで古典詩歌の特徴を発見することができます。文学におけることばと文字の関係、絵画性・音楽性についても学び、文学を芸術として捉える目を養います。
 この演習では、大学の日本文学科で、自分自身で研究を進めてゆく基礎的力を身に付けてもらいます。その研究の核心にあるのは、自分自身の問題関心です。前期はそれぞれの問題関心を明確にすることをめざします。
 また、ウクライナとスロベニアの学生との〈文学交流〉によって、文学によって相互理解を深めることができることを体験してほしいと思います。
キーワード/Keywords
    萬葉集     近代詩     戦争     文学交流         造形的な詩     ウクライナ     スロベニア