講義内容詳細:戦争・紛争と人権/人権法特論A/人権法Ⅰ

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年度/Academic Year 2024
授業科目名/Course Title (Japanese) 戦争・紛争と人権/人権法特論A/人権法Ⅰ
英文科目名/Course Title (English) War, Conflict and Human Rights/Topics in Human Rights Law A/Human Rights Law Ⅰ
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 森本 麻衣子
英文氏名/Instructor (English) MORIMOTO, Maiko

講義概要/Course description
私たちの生きる現在の世界は、戦争・紛争にまつわる様々な喫緊の問題を抱えています。このシラバスを書いている2024年1月末日現在も続いているイスラエルとハマスの戦闘やロシアによるウクライナ侵攻、世界各地の様々な紛争やそこから生み出される難民の問題、また地理的に近いところでは台湾情勢 etc.……。しかし、本講義「戦争・紛争と人権」は、あえて、前世紀(20世紀)における戦争・紛争の歴史に焦点をあてます。20世紀は「戦争の世紀」とも呼ばれ、また「アメリカの世紀」と呼ばれることもありますが、本講義は主に、この二つの歴史的現象の重なり合いの変遷を(駆け足ながらも)概観し、そこに「人権(human rights)」の概念と実践の歩みを位置づけることによって、21世紀の今、日本で学ぶ私たちが立っている地点の成り立ちを確認します。

現に今、様々な戦争・紛争が実際に起こっているときに、わざわざ過去に遡って学んだり考えたりすることは迂遠と思えるかもしれません。しかし、戦争・紛争が起こる理由を理解し、またそれを止める・防ぐためには、歴史的思考が不可欠であると講師は考えます。人類の歴史が示すように、他ならぬ「過去の戦争をどう振り返るか」という認識態度こそが、「戦争のない未来を創れるかどうか」に直結しています。一方で、仮に私たちがひとたび戦争・紛争の渦中に放り込まれれば、今日を生き延びることしか考えられなくなります。「教室」という暴力からの自由を保障された空間に身をおいていられることを最大限に生かして、あえて長い時間軸のなかで戦争・紛争の問題――私たちひとりひとりが人間らしく今を生きる権利(人権/human rights)と切り離すことのできない問題――を考える訓練を積み、現代の諸課題を歴史に照らして考える自分なりの知的枠組みを作ってほしいと願っています。
達成目標/Course objectives
「戦争の世紀」であり「アメリカの世紀」でもあったとされる20世紀を、主に戦争の暴力の犠牲になった人びとの姿を通じて振り返る。そのことを通じて、今、日本の大学の教室で学ぶ私たちが、戦争・紛争と人権をめぐるどのような条件のもとで生きているのかを理解する。
学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)に基づき、当該科目を履修することで身につく能力 / Abilities to be acquired by completing the course in accordance with the faculty and graduate school diploma policy (graduation certification and degree conferral)
学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)/ Undergraduate and Graduate Diploma Policy (Graduation Certification and Degree Conferral)
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class オリエンテーション 【この回のみ、オンライン授業オンデマンド型】
2
授業計画/Class 第一次世界大戦における総力戦体制の成立について学ぶ。
3
授業計画/Class 第二次世界大戦と東京裁判
4
授業計画/Class ベトナム戦争と枯葉剤1 
5
授業計画/Class ベトナム戦争と枯葉剤2
6
授業計画/Class 植民地側の視点でWWI~冷戦期までを辿り直す 
7
授業計画/Class 冷戦の終結と民族紛争の多発
8
授業計画/Class 中間レポート講評
9
授業計画/Class 20世紀末における「人権」-普遍の真理か、介入の口実か
10
授業計画/Class 民族浄化と戦時性暴力
11
授業計画/Class 「歴史の再審」と「従軍慰安婦」問題
12
授業計画/Class アメリカと「対テロ」戦争
13
授業計画/Class ロシアによるウクライナ侵攻
14
授業計画/Class グループプレゼンテーション2
15
授業計画/Class 総括・講評
 
事前学習/Preparation 事前予習資料に目を通す
事後学習/Reviewing 授業中に示された映像・文献課題について復習し、レスポンスを書いて提出する。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
補足事項/Supplementary notes本講義は対面授業(通常型)で実施します。

暗記すべき知識を与えたり、問題に対する解法を教えたりする授業ではありません。課題は比較的多めといえると思います。数回の感想(映像資料に関して、提出したい回を5回選ぶ方式。講義3日後の日曜日までに提出)に加えて、中間・期末レポートの提出を課し、また後半では「戦争・紛争と人権」というテーマに関連して、受講者が興味をもったトピックについてリサーチして発表する機会(希望に応じて個人/グループで実施)も設けます。予習用の文献資料は適宜配布しますが、それとは別に、レポート作成の際に言及が求められる副読本(「教科書」欄参照)も指定します。主体的に考え、参加する意志のある方の受講をお待ちしています。
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 40% 発言・レスポンスペーパー・課題への取り組みを通じたクラスへの貢献
2 レポート Report 60% 講師からのプロンプト(レポートの方向性について簡単な示唆を与えるためのオープンエンドの質問)に答えるかたちで、講義内容・文献資料をふまえたレポート(中間レポート、期末レポートの計2本、配点は30パーセントずつ)を作成・提出
教科書/Textbooks
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
コメント
Comments
1 赤坂真理 東京プリズン 河出文庫 2014 中間レポートなどの課題に取り組む際に必要となります。なお、これはいわゆる「東京裁判」に関連した小説ですが、小説ではなくてもっと実証的な論考を読みたいという人は、オプションとしてかわりに日暮吉延『東京裁判』(2008年、講談社現代新書)を手に入れて読んでもかまいません。
メッセージ/Message
もしUniversal Declaration of Human Rights(人権に関する世界宣言)にまだ目を通したことがなければ、以下のウェブサイト等で確認しておいてください。
英文http://www.un.org/en/documents/udhr/index.shtml#a30
日本語訳http://www.ohchr.org/EN/UDHR/Pages/Language.aspx?LangID=jpn
その他/Others
履修者数や習熟度、また世界情勢などに応じて、課題内容や進め方を見直す場合があります。
キーワード/Keywords
人権     戦争     ヒューマン・ライツ     歴史     戦争の世紀     二十世紀     国際政治     国際法     ドキュメンタリー