講義内容詳細:財務会計研究Ⅰ

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年度/Academic Year 2024
授業科目名/Course Title (Japanese) 財務会計研究Ⅰ
英文科目名/Course Title (English) Financial Accounting (1)
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 上枝 正幸
英文氏名/Instructor (English) UEEDA Masayuki

講義概要/Course description
 「財務会計研究Ⅰ・Ⅱ」では、企業による財務報告が経済社会において果たしている役割について研究する。したがって、会計・監査制度や会計基準自体の検討も当然に実施するものの、① 財務会計にかかわる制度や基準がヒトやその集合体である企業に対してどのように影響を及ぼしているのか、あるいは ② 特定の社会の目的が存在すると仮定して、それ(ら)を達成するためにはどのような制度や基準が必要であるのか、などについて理論的・実証的に考察することがコースの中心となる。
 たとえば、現行の財務会計の概念フレームワークは、投資者への意思決定に有用な情報の提供が財務報告の目的であると規定する。こうした考え方は、意思決定有用性アプローチとよばれる。このとき、意思決定有用性アプローチの観点から、資本市場における財務会計情報の役割を分析する研究の貢献と課題を考察することが重要となろう。また、財務報告を巡る利害関係者が置かれている社会・経済環境の詳細に加え、利害関係者それぞれの経済的インセンティブについての知ることも必須であろう。いずれにせよ、あるべき論(規範論)ではなく、現実にどうあるのか、またどのように説明できるのか(理論・実証論)を議論したい。
 なお、以下では、会計学専攻の大学院生の基礎知識を習得するための好テキストとして、『アドバンスト財務会計(第2版)』を読み解く場合の講義計画を示している(前(2023)年度も、同テキストをもとに議論した)。ただし、受講生の関心・目的にとってより適した文献がある場合、そちらを選択することになる。
達成目標/Course objectives
会計研究のほか、経済学、行動科学、ゲーム理論などの諸学問分野のディシプリンを援用し、
 ① 財務会計情報が社会において果たす役割・財務会計を巡る現在の社会制度・環境、
 ②   社会目的を達成するための会計を巡る制度・諸基準のありかた、などの論点を科学的に
議論できるような基本的素養を学修する。
学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)に基づき、当該科目を履修することで身につく能力 / Abilities to be acquired by completing the course in accordance with the faculty and graduate school diploma policy (graduation certification and degree conferral)
学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)/ Undergraduate and Graduate Diploma Policy (Graduation Certification and Degree Conferral)
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
学部上級レベルの簿記・会計学(税務・監査を含む)の知識を有していることを前提とする。
このほか、基礎的な統計学の素養があること。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class オリエンテーション(学習文献の決定,授業の進め方の決定,日程の確認,本講のねらいと成績評価方法の説明など)。【オンライン(オンディマンド型)】
2
授業計画/Class 序章 科学としての会計学—研究論文の書き方・読み方—
3
授業計画/Class 第1章 推論規則—論証手法の基礎
4
授業計画/Class 第2章 利得、所得と会計利益
5
授業計画/Class 第3章 資本維持
6
授業計画/Class 第4章 実現概念
7
授業計画/Class 第5章 対応原則
8
授業計画/Class 第6章 費用の期間配分
9
授業計画/Class 第7章 会計規則
10
授業計画/Class 第8章 Event StudyとRelevance Study
11
授業計画/Class 第9章 会計情報と企業のファンダメンタルズ
12
授業計画/Class 第10章 会計行動のインセンティブ
13
授業計画/Class 第11章 会計発生高と利益マネジメント
14
授業計画/Class 第12章 実証研究のための統計技法(1)
15
授業計画/Class 第13章 実証研究のための統計技法(2)
 
事前学習/Preparation その講義回に扱うテキストの章を読んでおく。
事後学習/Reviewing その講義回で扱った章の演習問題のうち、指定されたものに解答する。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
補足事項/Supplementary notes 対面授業(通常型)により、詳細は以下のようなものとなる。
(1)毎回、1章分(日本語で約30頁)を読む。
(2)講義内で内容に関して確認・議論する。
(3)指定する演習問題に解答して、教員に提出する。
(4)(次回)教員が解答内容に対してフィードバックを与えるので確認する。
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 100% 毎回、日本語のテキストを1章(30頁前後)読み、指定された章末の演習問題に解答する。
当該解答の提出によって評価する。テキストは各自で入手してください。
教科書/Textbooks
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
ISBN価格
Price
1 大日方隆 アドバンスト財務会計(第2版) 中央経済社 2013 502475009 4,180
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
ISBN価格
Price
 
1 ウィリアム・R・スコット著,太田康広・椎葉淳・西谷順平訳 『新版 財務会計の理論と実証』 中央経済社 2022 4502427616 6,930
2 大日方隆編著 『会計基準研究の原点』 中央経済社 2012 4502454303 6,160
3 太田康広編著 『分析的会計研究―企業会計のモデル分析』 中央経済社 2010 4502230200 4,180
4 ダン・ハーマン・井上達男・ウェイン・トーマス編 『会計制度の実証的検証』 中央経済社 2009 4502292303 3,960
5 斎藤静樹 『会計基準の研究(増補改訂版)』 中央経済社 2013 4502484903 4,420
6 ジョン・A・クリステンセン・ジョール・S・デムスキ 『会計情報の理論―情報内容パースペクティブ』 中央経済社 2007 4502269301 7,040
7 椎葉淳・高尾裕二・上枝正幸 『会計ディスクロージャーの経済分析』 同文舘 2010 449519531X 4,180
メッセージ/Message
財務会計を巡る諸問題につき、「ヒトや社会制度・環境」の観点から実証的に研究したい受講生を歓迎する。また、教員および他の受講生とのディスカッションをもとに授業が進むことに注意してもらいたい。