講義内容詳細:先端デバイス

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年度/Academic Year 2025
授業科目名/Course Title (Japanese) 先端デバイス
英文科目名/Course Title (English) Advanced Device Physics
学期/Semester 後期後半 単位/Credits 1
教員名/Instructor (Japanese) 三井 敏之
英文氏名/Instructor (English) MITSUI Toshiyuki

講義概要/Course description
数十年前までは、電化製品には何百種類もの半導体部品が使われていました。しかし現在では、それらの部品の代わりに少数の高度なプロセッサ(チップ)が使われています。そこで本講義では、最初に半導体素子としてのトランジスタとFETの構造と、その電気的特性を学びます。次に、それらの素子の製造方法から複数の素子のパターニングについて説明をします。これらの製造方法の発展により、集積回路から高度なアルゴリズムを実現するCPUまで、一度に大量に生産することが可能になりました。ビジネスとしてのPCの歴史や、CPU発明後のハードとソフトの関係の変化についても解説をします。素子製造法の分野では、半導体プロセスとして知られるマイクロ・ナノスケールの微細加工について、使用装置も含めて詳しく解説をします。これまで学んできた電磁気学と力学に基づく半導体プロセスは、トランジスタの小型化に役立っており、USBなどは量子力学の概念の応用製品であることを紹介します。


達成目標/Course objectives
PCが機能するメカニズムは量子力学や固体物理によってのみ理解されること、PCの心臓部となるCPUの製造方法には、物理を基礎とした半導体プロセスがもちいられることなどを学びます。改めて物理学の重要性を認識することがこの講義のゴールです。
学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)に基づき、当該科目を履修することで身につく能力 / Abilities to be acquired by completing the course in accordance with the faculty and graduate school diploma policy (graduation certification and degree conferral)
学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)/ Undergraduate and Graduate Diploma Policy (Graduation Certification and Degree Conferral)
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 第1回 ナノ構造をつくる1 身近なナノ構造、ハードディスクなど
2
授業計画/Class 第2回 半導体によるスイッチング素子
1.半導体の物性
2.半導体のドーピング
3.pn接合
3
授業計画/Class 第3回 半導体によるトランジスタとFET
1.トランジスタの原理と物理的構成
2.トランジスタとFET
3.FETの組み合わせによるロジック回路
4
授業計画/Class 第4回 半導体プロセス1
1.真空の必要性
2.量産のための工夫
3.プロセッサに向けて
5
授業計画/Class 第5回 半導体プロセス2
1.リソグラフの概念
2.リソグラフに必要な装置
3.蒸着からスパッタリングによる成膜
4.エッチング
6
授業計画/Class 第6回 コンピュータの歴史
1.FETによるロジック回路
2.半導体素子の開発
3.素子の物理的構造
7
授業計画/Class 第7回 これから(現在)のプロセッサについて
1.AI仕様のプロセッサ
2.これからのPCの発展について
 
事前学習/Preparation 量子力学、電磁気の復習をしておきましょう。また、PCの仕組みや半導体の製品について調べておくことをすすめます。
事後学習/Reviewing 講義では、既に学習した電磁気学、量子力学、固体物理学の式の導出過程は省略しますが、半導体による製品では、量子力学が応用されています。講義では現象や相互作用を中心に説明するので、講義の復習も兼ねて、改めて電磁気学や量子力学などで学んだ式の導出をすすめます。


授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
補足事項/Supplementary notes大学の方針に従い、対話形式、オンライン等により柔軟に講義を行う。受講者数により、学生によるプロジェクトやプレゼンテーション等を予定している。
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 その他 Others 30% 受講者数によりプレゼンをします。
2 平常点 In-class Points 70% 毎回の講義時に簡単なテストと、リアクションペーパー(理解した、疑問に思ったこと)にを書いてもらい、その後、レポートにまとめてもらいます。
教科書/Textbooks
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1 プリントを配布します。
参考書/Reference books
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1 ナノテクノジーや一般的な固体物理、半導体工学の参考書
メッセージ/Message
身の回りの製品をテーマに、その中でもちいられている物理を紹介します。今までに学んだ量子力学、固体物理、電磁気学の復習になると思います。将来に自分に何ができるか、あるいは今何をすればよいかがみえてきたら、この講義は成功です。